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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第164話
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ぞれ黙って考え込み始めた。



「わかったら帰りなさい。おそらく軍需工場以外は市内に被害は及ばないでしょう。幾つか依頼も使いするからそれを今日はこなすといいわ。そして、こんな状況でもあるし、明日の朝にはルーレを発ちなさい。理事として許可します。」

「……………」

「そ、それは……」

「―――それはできないわ。」

イリーナ会長の言葉にリィン達が答えに詰まっているとアリサが首を横に振って答えた。



「だって私はもう……同じ事を繰り返したくないから。」

「……え……?」

アリサの口から出た予想外の答えを聞いたイリーナ会長は呆けた表情をした。



「今まで私は……ずっと目を背けてきた。お祖父様が会長を追われた時も。ううん、父様が亡くなって母様が仕事に没頭し始めた時から……そして母様がグループを途方もなく大きくし続けた間も……でも士官学院に入って世の様々な理不尽を知って……それでも私は―――私達は諦めずに少しずつ前に進めたと思う。それがこの半年、私達が手に入れたものだわ。」

「………………」

「アリサ……」

「……そだね。」

アリサの話をイリーナ会長は目を閉じて聞き続け、リィン達はアリサを見つめていた。



「だから私は……もう目を逸らさずに言うわ。母様の娘として、家族として。何よりもラインフォルトを幼い頃から見続けた者として。母様―――貴女のやり方はやっぱり”間違ってる”って。」

「お嬢様……」

「………………フフ……間違っているというからには当然、正しい道を示せるという事ね?」

アリサの指摘を聞いたシャロンは驚き、イリーナ会長は静かな笑みを浮かべた後アリサを試すかのように口元に笑みを浮かべて問いかけた。



「もちろんよ。でも、それを示すには私もまだまだ経験が足りない。だから士官学院卒業までに何らかの道を示すことを誓うわ。いずれ母様の跡を継ぐ―――その可能性がある人間として!」

「あ……」

「ヒュウ♪」

(アリサ、カッコイイよ!)

アリサの決意を知ったエリオットは驚き、クロウは口笛を吹いて感心し、ミルモは嬉しそうな表情で言った。



「……およそ幼稚で勢いだけの発言だけど……まあ、今の貴女が紡げる言葉としては上出来でしょう。」

「母様……」

「シャロン、例のものを。」

「かしこまりました。お嬢様、これをどうぞ。」

イリーナ会長に指示をされたシャロンはアリサにカードキーを渡した。



「これは……何らかのカード……?」

「それはカードキーよ。鉄鉱山に通じている非常連絡道への扉を開く。」

「それって……」

「そんなものがあるんですか!?」

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