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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第160話
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導入したシステムもあって各部門の独立性は極めて高く……イリーナ会長も完全には掌握しきれていないようです。」

「……すると、鉄道憲兵隊が査察を検討している『第一製作所』……やはり貴族派が占めているんですね?」

「ええ、そしてその査察を領邦軍に露骨に牽制されている―――それが夕方起きた小競り合いの”背景”になりますね。おそらくイリーナ会長は各部門をコントロールするため現在、動いているのでしょう。ですが彼女は5年前、グループの実権を掌握するために両勢力から力を借りています。その意味では、根本的な解決は難しいでしょうね。」

「キナ臭くなってきたね。」

「ああ……思っていた以上に危うい状況みたいだ。しかも帝国内の対立状況と完全に連動してしまっている……」

「うふふ、グエン会長から実権を奪い取った時にできた”借り”が肝心な所で返ってきたようね。」

クレア大尉の説明を聞いたフィーとリィンは真剣な表情で呟き、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。



「―――伝えられる情報はここまでとなります。各地でも緊張は高まっていますがルーレは別の導火線も抱えています。”危機”の輪郭も見極め、できれば近寄らないでください。それが今回、”Z組”の皆さんが実習で学ぶべき経験でしょう。」

「あ……」

「ふふ……それでは頑張ってください。―――レン姫、ホテルまでお送りします。」

「うふふ、ありがとう♪お言葉に甘えさせてもらうわ。―――リィンお兄さん、”西風の妖精(シルフィード)”さん、お休みなさい(グッドナイト)♪」

そしてリィンとフィーに自分の話を伝え終えたクレア大尉はレンと共にその場から去って行った。

「あ……伝票!」

二人を見送ったリィンは伝票をクレア大尉が持っていったことに気付いて立ち上がり

「オゴられたみたいだね。一方的に情報を教えてもらった上に。」

フィーは静かに呟いた。



「はあ……今更追いかけるわけにもいかないし。借りを作ってしまったな。」

「オトナの女性って感じだね。サラより歳下みたいだけど彼女の方が余裕ありそう。」

「うーん、それは確かに。あ……」

フィーの意見にリィンが同意したその時、ARCUSに通信が来た。

「ARCUSに通信?」

「はい、トールズ士官学院、リィン・シュバル―――」

「―――ちょっと!何をやってるのよ!?」

通信を開始したリィンが名乗り上げる前に、聞き覚えのある女子の怒鳴り声が聞こえて来た。



「なんだ、アリサか。」

「な、なんだって何よ!?女の人に呼び出されて出かけたってホントなの!?」

「また懲りずに増やすつもりですか、リィンさん……!アイドスさん達どころかあたしの可愛い妹まで落とし
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