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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第159話
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その後ラインフォルト家を見て回っていたリィンはシャロンの提案によって、アリサの様子を見に行く事にし、テラスにいるアリサを見つけてアリサに近づいた。



〜RF本社ビル最上階・ラインフォルト家ペントハウス・テラス〜



「…………………」

「アリサ。」

アリサが外の夜景を見つめて考え込んでいるとリィンが声をかけたきた。



「ああ……貴方だったの。……ひょっとして心配させちゃった……?」

「ああ、ちょっとね。何となくノルドの時と同じような感じだったからさ。」

「そっか……はあ、情けないわね。家から独立しようとしてるのにこんな事で心が乱れるなんて。」

リィンの話を聞いたアリサはリィンに背を向けて溜息を吐いた後再び夜景を見つめた。



「……………………しかし凄いな……この夜景は。子供の頃からこんな光景をずっと目にしてきたのか。」

アリサの様子を見たリィンは無言でアリサの隣に近づいて話を変えた。

「まあ、そうね。お祖父様と、父様と、母様……父様が亡くなってからはシャロンが来てくれて……この夜景はいつも家族で見ていたものだわ。」

「家族との光景か……俺にとってのユミルの山々と同じようなものみたいだな。」

「ふふ、そうでしょうね。……でも、お祖父様はこの街からいなくなってしまって……今は私も、シャロンもいなくなって母様が一人きりで暮らしている……そう考えると……何だか胸が張り裂けそうなくらい切なくなってしまったの。……どうしてそこまでって。」

「そっか……やっぱりお母さんのことを怒っているわけじゃないんだな。」

辛そうな表情で語ったアリサの言葉に頷いたリィンはアリサを見つめた。



「ふふ……腹が立ってたのは確かだけど。でも……私だったら耐えられない。家族も、大切な人も、誰もいない状況で仕事にだけ没頭して生きて行くなんて……技師だった父が生きていた頃は決してあんな風じゃなかった。優秀なキャリアウーマンだけどユーモアがあって思いやりもある。そんなあったかい人だったの。でも―――父が亡くなって母はすっかり変わってしまった。取り憑かれたように仕事に没頭して影ではお祖父様の実験を奪ってRFグループの会長となって……でも、私が知る限り母が贅沢している所なんて見た事がないわ。会食以外だと、栄養バーで食事を済ませようとしてシャロンに窘められる……そんな人なの。だから怖いのよ―――”どうしてそこまでする?”って…………」

「………………」

辛そうな表情で語ったアリサの様子を見たリィンは静かな笑みを浮かべてアリサの頭を撫で

(あらあら♪)

(ふふふ、相変わらずのようですね。)

(ああいう所がリィン様の素敵な所なのでしょうけど……)

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