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英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
第121話
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の任務はヤツを消すという事だけや。それ以外のことは全て仕込みと目眩ましにすぎん。君らとの協力関係も、な。」

「………わかっています。エステルが”グロリアス”に連れ去られた一件………あれも多分、あなたは最初から見越していたはずだ。」

「くく………そこまで見抜くか。そう、オレはエステルちゃんが攫われる可能性に気付きながら何の対応もせぇへんかった。彼女をエサにすることでワイスマンや、居場所の不明な君の動向を掴むつもりやった。」

ヨシュアの推測を聞いたケビンは冷たい微笑みを浮かべて頷いた。

「………そうでしょうね。それに………姉さんに正体を隠させていた事やイオンさん達の”極秘任務”も全てワイスマンを殺害する為の布石だったのでしょう?」

「はは、参ったわ………そこまで気付いていたとはな。そうや……ワイスマンを滅する過程でカリンさんの存在は何が起こるかわからん不確定要素やったからな。エステルちゃんという君やワイスマンに対するエサがあるのに、そこにエステルちゃん同様君やワイスマンに対するエサが増えたら君達の動向を掴みにくくなる可能性が出てくる上、彼女を保護しているイオンが彼女をエサにするなんて非道な事を許す訳がない。やから”カリン・アストレイは一度死んだという事実”を利用して、彼女にはオレの任務―――ワイスマンの殺害が完了するまで正体を隠してもらったんや。ちなみにイオンはワイスマンにオレの存在に気づかせないための目くらましや。守護騎士(ドミニオン)が一人でもエステルちゃん達に力を貸していたら、普通はそっちを警戒するやろ?」

「………………姉さんはケビンさんがワイスマンを滅する事等知っていて正体を隠していたんですか?」

冷たい微笑みを浮かべて語ったケビンの話を黙って聞いていたヨシュアは複雑そうな表情で訊ねた。



「いや……彼女には”結社”―――ワイスマンに彼女の生存を知られたらオレ達の”極秘任務”に支障が出るって説明したら深い事情も聞かずに納得した。まあ、彼女はイオンに保護されてからずっと”星杯騎士団”に関わっていたからな………薄々オレ達がワイスマンを滅する事が真の目的である事を悟っていたかもしれんな。」

「そうかもしれませんね………それでも僕は………あなたに感謝しています。」

「え…………」

心から愛している女性(エステル)や大切にしている(カリン)を利用したにも関わらず感謝の言葉を口にしたヨシュアの答えを聞いたケビンは呆けた。

「あなたの協力がなかったら僕は教授の操り人形のままだった。何よりも大切なものを………この手で壊してしまう所だった。その借りは一生かかっても返せないと思っているくらいです。」

「はは、大げさやな。言っておくけどアレは君のためにやったんやないで。君の呪縛が解けるこ
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