第89話
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聞いたエステルは首を傾げて尋ねた。
「”私の死”という”壁”を超えない限り、ヨシュアは前に進めません。”私”の存在はヨシュアにとって重荷になっていたんではないかと思いましたし、それに今更名乗り出た所であの子が信じるかどうか、不安で………」
「カリンさん…………」
辛そうな表情で語るプリネにエステルは何も言えなかったがある事を思い出して、言った。
「大丈夫………もうヨシュアはカリンさんを失った悲しい過去に目を背けず、前を歩いているわ!」
「え…………?」
エステルの言葉に驚いたプリネはエステルを見た。そしてエステルはメーヴェ海道であった出来事を話した。
「……そうだったのですか。…………本当にありがとうございます、エステルさん。あの子を絶望の淵から救ってくれて………」
「えへへ…………それより、さっきあたしが言った事………まだ迷っているの?」
プリネにお礼を言われ、照れたエステルはプリネに尋ねた。
「…………………リベールの”結社”の件が片付けば名乗り出ます。もう一人、闇から救わないといけない人もいますので………」
「”剣帝”レーヴェね。……………わかったわ!約束だからね?」
「はい。」
「あ、それと。いつかあたしやヨシュア…………”剣帝”レーヴェの前でヨシュアが持っているハーモニカで”星の在り処”、聞かせてね!」
「フフ、わかりました。」
エステルに笑顔を向けられたプリネは優しい微笑みを浮かべて頷いた。
「あ、ちなみにこれからプリネの事をなんて呼べばいいのかな………?ヨシュアのお姉さんでもあるし。」
「今まで通り”プリネ”で構いませんよ。”プリネ”と”カリン”………どちらも”私”なのですから。」
エステルの疑問にプリネは微笑みながら答えた。
「そっか。これからもよろしくね、プリネ。」
「はい。」
そしてプリネと離れたエステルはヨシュアに近づいた。
「………話は終わったのかい、エステル。」
「うん。じゃ、行きましょうか。」
そしてエステルとヨシュアは空港に向かおうとしたが
「…………あの、ヨシュアさん!」
「プリネ?」
プリネに呼び止められ、ヨシュアはエステルと共に立ち止まり、振り返ってプリネを見た。
「………素敵な女の子を見つけたわね。絶対にエステルさんの傍から離れては駄目よ……………ヨシュア。」
プリネは優しい微笑みを浮かべてヨシュアを見て言った。
「え…………(ね………え………さ……ん……?)」
プリネが見せた微笑みとカリンの微笑みが重なって見えたヨシュアは呆けた。
「それじゃあ、お二人とも頑張って下さい!」
そしてプリネはエステル達に背を
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