第87話
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ィルの国益を考えての出兵ですか?」
そこにモルガンが重々しい口調で尋ねた。
「フフ、お忘れですか、将軍。私は”遊撃士”。遊撃士は国家権力に干渉できません。ですのでこの出兵は私達の”好意”です。国同士の関係はございませんのでご安心下さい。」
モルガンに尋ねられたエステルは微笑みながら答えた。
(………驚いたわね。まさに本物の貴族と変わらないほど、貴族として振る舞っているわね………デュナン公爵より、よっぽど貴族に見えるじゃない。)
(ええ………それにしても、エステル。いつの間にあんな風に振る舞えるようになったんでしょう………)
一方シェラザードは一連の会話を驚いた表情で呟き、ヨシュアは真剣な表情で頷いてエステルが貴族として立派に振る舞えている事に首を傾げていた。
「ボースの復興の件といい、本当にありがとうございます………貴女達のご好意………喜んで受けさせて頂きます。」
そして女王は微笑んで答えた。
「………………………」
女王の答えを聞いたエステルは静かに頷いた後、ミントと共に街道に整列しているメンフィル兵達に姿を見せた。エステル達の姿を見たメンフィル兵達は全員片膝を地面について、跪いた!そしてエステルとミントの両脇に控えていた親衛隊員もその場で片膝をついて、跪いた!
「……ファラ・サウリン護衛部隊総員に告げる!これより一時的に貴方達の指揮権をリベールの将、カシウス・ブライトに譲ります!私、もしくはリウイ陛下、そしてシルヴァン陛下より指示がない限り、彼の指示に従いなさい!」
「………同じく、ルーハンス護衛部隊総員もファラ・サウリン護衛部隊と同じ行動をするように!」
エステルは威厳を纏って全ての兵達に聞こえるように叫び、ミントも続いた。
「イエス、マイロード!!」
跪いたメンフィル兵達はエステルとミントの指示に大きな声で返事をした!メンフィル兵達の返事を聞いたエステルとミントは外套を翻して、女王達の所に近づいた。
「ルーハンス護衛部隊総員約200名、並びにファラ・サウリン護衛部隊総員約250名。………これより貴方に彼らを預けます。」
「……………お2人の大事な護衛兵………確かにお預かりしました。」
エステルに言われたカシウスは敬礼をして答えた。
「……………今度は絶対にお母さんを失わないよう、しっかり作戦を考えてね………父さん。」
そしてエステルは本来の笑顔と口調でカシウスに微笑んで言った。
「ああ、勿論だ。」
エステルの本来の笑顔を見たカシウスも笑顔で返した。そしてグリューネ門に集結していたメンフィル兵達やエステルとミントに控えていた親衛隊員達はカシウスの指示によって、いくつかの部隊に別れて、それぞれ指示された場所に向かっ
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