外伝〜夕陽の約束〜
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シュアを見たエステルは恥ずかしそうな表情で笑った後、優しい微笑みを浮かべて言った。
「―――見ないであげるから……そのまま泣いちゃうといいよ……。こうしてあたしが…………抱き締めててあげるから……」
そしてヨシュアはしばらくの間、泣き続け、やがてヨシュアの泣き声は止まり、泣き終えたヨシュアは涙をぬぐって、エステルを見た。
「えへへ……な、何だか照れるわね。」
ヨシュアに見られたエステルは恥ずかしそうな表情で笑って答えた。
「うん……そうだね」
「あ……そうだ!これ、返すからね」
そしてエステルはハーモニカを取り出し、ヨシュアに渡した。
「あ……」
ハーモニカを渡されたヨシュアは呆けた声を出した。
「まったくもう……お姉さんの形見なんでしょ?簡単に人に渡すんじゃないわよ。」
「うん……。確かに軽率だったかな。」
呆れた表情で溜息を吐いて語ったエステルの言葉にヨシュアは頷いた。そしてエステルはある事を尋ねた。
「お姉さんって……どんな人だったの?」
「うん……そうだな……。気立てが良くて優しいけどどこか凛としていて……レーヴェとすごくお似合いで子供心に少し妬いていたよ。」
「気立てが良くて優しくて凛としたタイプ……。それって……クローゼやプリネみたいな感じ?(というかプリネの場合、本人なんだけどね………)」
ヨシュアからある人物――カリンの事を聞いたエステルは心の中で苦笑しながら尋ねた。
「はは……そうだね。顔立ちとかは違うけれどタイプは似ているかもしれない。特にプリネは何度か姉さんに見える事があったよ。”星の在り処”も弾けたしね。」
「………………………………(見えるというか、プリネの場合はその本人なんですけど………)」
「……エステル?」
「な、何でもないっ!……言っとくけど、クローゼも、他のみんなもすごく心配してたんだからね。帰ったらちゃんと謝りなさいよ。」
ヨシュアに呼びかけられたエステルは慌てて言った。
「エステル……僕は……」
「戻る資格がないとか言ったって聞かないからね?教授のスパイをしたって言っても無意識のうちなんでしょ?空賊艇の奪還事件だって潜入捜査の一環みたいなもんだし。”結社”の計画についての情報を父さんにでも話したらチャラよ。いわゆる司法取引ってやつ?」
「ちょっと違うと思うけど……」
エステルの話を聞いたヨシュアは呆れた表情で溜息を吐いた。
「それに”結社”を止めるにしたって、もうあの船に潜入するのは無理よね?だったらあたしたちと一緒に行動するしかないじゃない。」
「……そもそも君が掠われなければ予定通り”グロリアス”を爆破できたんだけどな……」
「
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