外伝〜夕陽の約束〜
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ュアはエステルから目を逸らして答えようとしたが
「ううん、違う。ヨシュアは……お姉さんを亡くした時のショックを思い出したくないだけ。無意識のうちに、他人事みたいに思い込もうとしているのよ。」
「!!!」
エステルの言葉に一瞬泣きそうな表情で驚き、黙った。
「さっき、あたしを助けてくれたことだって同じよ。あの戦艦に忍び込むのに相当、苦労したんでしょう?なのに迷いもせずにあたしを逃がしてくれた……。まるであたしを一刻も早く危険から遠ざけるようにね。」
「………………………………」
「ヨシュアは壊れてなんかない。ただ恐がりで……自分に嘘をついているだけ……。今のあたしには自信をもって断言できるわ。」
「そんな……でも……。………………………………」
静かに語るエステルの話に反論しようとしたヨシュアだったが、反論の言葉は見つからなく黙り、エステルに背を向けた。
「どうして君は…………そんなことまで……」
「前にも言ったけど、あたしはヨシュア観察の第一人者だから。ヨシュアの過去を知った今、あたしに敵う相手はいないわ。教授にだって、レーヴェにだって、絶対に負けないんだから。(勿論貴女にも負けないわよ、プリネ………いえ………カリンさん。)」
「………………………………」
「恐がりで勇敢なヨシュア。嘘つきで正直なヨシュア。あたしの……大好きなヨシュア。やっとあたしは……ヨシュアに届くことができた。」
そしてエステルは背を向けているヨシュアを後ろから優しく抱き締めた。
「……っ………」
抱き締められたヨシュアは驚いて硬直した。
「でもあたしは……守られるだけの存在じゃない。遊撃士を続ける限り、危険から遠ざかってばかりはいられない。ヨシュアがいようがいまいが、その事実は変わらないんだよ。だってそれは、あたしがあたしであるための道だから。」
「………………………………」
「だから……だからヨシュア、約束しよう。」
「……え…………」
エステルの唐突な提案にヨシュアは呆けた声を出した。
「お互いがお互いを守りながら一緒に歩いていこうって。これでもヨシュアの背中を守れるくらいには強くなった。ヨシュアが側にいてくれたらその力は何倍にも大きくなる。”結社”が何をしようと絶対に死んだりしないから……。だからもう……恐がる必要なんてないんだよ。」
「……エス……テル………。…………あ………………」
優しげな微笑みを浮かべて語るエステルの言葉を聞いたヨシュアの目から涙がこぼれ落ちた。
「なん……で……。……涙なんて……姉さんが死んでから……演技でも……流せたこと……ないのに……」
「えへへ……そっか……」
信じられない様子でいるヨ
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