第84話
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「ああ……ここにいる!どうして君たちがこんな所にいるんだ!?とっくにリベールを発ったと思ったのに……!」
一方エステルの様子に気づいていないヨシュアは信じられない様子で尋ねた。
「へへ、あんたが困ってないか兄貴たちが心配しちゃってさ。それであのデカブツの様子を遠くから伺っていたんだ。」
「へへ、よく言うぜ。必死な顔で頼んできたのは誰だったかな〜っと。」
「キ、キール兄!」
「ま、俺たちも”結社”には色々と借りがあるからな。リベールを発つのは借りを返してからにするぜ。」
ヨシュアがスピーカーに尋ねるとジョゼット達、カプア三兄妹の声が聞こえた。
「……そうか……。ありがとう、助かるよ。」
「へへっ……せいぜい感謝しなよね!」
「しかし、さっきから見てると反撃してないみたいだな。何か問題でもあるのか?」
ヨシュアの官舎の言葉にジョゼットは答え、キールはある事を尋ねた。
「武装を外した船しか調達できなくてね。ちょっと困っていたんだ。」
「そうか……」
「ど、どうしよう……」
「……よーし、こうなったらこのまま二手に分かれるぞ!一隻だったら振り切れるな?」
ヨシュアの話を聞いたキールとジョゼットは考え込んでいたが、ドルンはある事を提案して尋ねた。
「うん……問題ない。」
尋ねられたヨシュアは頷いて答えた。
「おーし、女神の加護を!」
「ヨシュア……気を付けてよね!。」
そしてエステルとヨシュアが乗った赤い飛行艇と山猫号は二手に分かれ、追手も二手に分かれてそれぞれ追って行った。
〜数十分後〜
「エステル、レーダーは?」
「うん……もう光は消えたみたい。完全に振り切れたみたいね。」
数十分後、追手を振り切ったヨシュアはエステルに尋ねた。
「そうか……。………………………………」
「……………………………………」
エステルの答えを聞いたヨシュアは頷いて黙り、エステルも黙った為、その場は静寂に包まれた。
「え、えっと……。あの空賊たち、けっこう気のいい連中だったみたいね。まさかあのタイミングで助けに来てくれるなんて……。すごく見直しちゃったわ。」
やがてエステルが勇気を出して話し始めた。
「そうだね……。契約上の関係だと割り切っていたけど……人と人の関係はそう単純じゃないらしい。」
「あはは……今さら何を言ってるんだか。顔を突き合わせてれば仲良くなったり、ケンカしたり、色々とあるわよ。それが人の付き合いでしょ?」
ヨシュアの言葉を聞いたエステルは苦笑した後、尋ねた。
「ああ……。でもそれは、僕の生きてきた世界では当たり前じゃなかった。」
「あ……」
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