第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 B
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本部付隊のOH-11小型偵察ヘリに乗って現場へ急行した。
このヘリはあまりにも小さいため中に人が乗るというよりは外に足をぶら下げて腰かけるという乗り方をするヘリであった。
ライフルを肩にかけて、トマホークを握りしめる。
ヘリには4人までしか乗れない。
隣にはオーランド軍曹、後ろには第1小隊長クレメンツ・ホリー予備役中尉とグレン軍曹がいる。
OH-11は機動性・スピードともに申し分ない偵察ヘリだが人員輸送性だけは最低であった。
そういったこともあって第1小隊の半分と狙撃偵察小隊の半分の人員はヘリで、残りの隊員は軽装甲車で向かっていた。
だんだん不時着現場へ近づいてきた。
攻撃ヘリのパイロットがライフルで応戦しているのが上空から見えた。
私たちの乗るヘリのパイロットが
「降下!」
と言ってきたのでロープを下して降下し始める。
するするするとロープを伝って降下する。
あたりは砂埃で何がなんだかよくわからなかった。
後ろを振り返ってオークランド、グレン軍曹とクレメンツ予備役中尉が降下したのを確認するや否や、砂ぼこりの中へ銃声にするほうへ入っていく。
砂ぼこりが収まる前に建物へ侵入しどこからでも援護できるように射界を確保しに行く。
どこかの飲食店だったのかはわからないが通りに面し、射界の開けた場所を確保した。
屋上へ上がって第2陣以降の降下を誘導する
不時着したヘリは向かいの通りに転がっており、パイロットたちは愛機を盾に激しく応戦していた。
私たちも応戦する。
第3陣到着時点で突撃班を編成した。
砂ぼこりは収まりつつあり、このままではヘリパイがやられるのは時間の問題であった。
私は直接突撃班を率いてクレメンツ予備役中尉に援護射撃をさせた。
スモークグレネードを投擲し、さらに視界を悪くさせる。
物陰に潜みながら、予備役中尉に
「援護射撃開始!」
と同時に突撃班とともに飛びだした。
とにかく無我夢中で走った。
私はヘリの残骸に何とか飛び込み、部下を援護するためにライフルを連射した。
その時悲劇は起きた。
道の真ん中でまだ17歳になったばかりのアレン・オースティン1等兵が
「撃たれた!」
と言って倒れこんでしまったのだ!
1等兵は装甲服の腹部非装甲部分を撃ち抜かれ苦痛にうごめいていた。
私は援護射撃を命じて飛び出そうとするとアントン・グリューネ准尉から思いっきり手をつかまれた。
彼は私を見て叫んだ
「敵の狙撃手です!
あそこをクロスファイヤポイントにして狙ってます。
わたしも撃たれました。」
と言って肩を見せてきた。
准尉の装甲服の肩の可動部分から血があふれていた。
准尉は止血剤を当ててもらいながら悲痛そうな目でこちらを見ていた。
1等兵は私を見て
「中尉 私はいいですから任務を達成してく
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