第80話
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いない人が思い浮かんだわ。(………だからプリネ、”星の在り処”を最初から上手に吹けて……あのハーモニカを自分の物のように扱えたのね………そりゃ、そうか。ずっと使い続けていた”自分の物”だものね………)」
エステルは心の中で納得した後、苦笑していた。
「……………………(ま………さ………か…………プリネ・K・マーシルン………お前は本当に………”カリン”なのか………?)」
エステルの話を聞いたレーヴェは信じられない表情で黙り、心の中で2度も自分を破った夕焼けのような赤い髪を腰までなびかせ、澄んだ紅い瞳を持つ優しげな少女――プリネとカリンを重ね合わせて、信じられない思いでいた。
「…………………………フッ。興味深い話を聞かせてもらった。………もう一度言っておくが、逃げようなど考えぬ事だ。」
そしてレーヴェは部屋を出て行った。
「………………………………。逃げようなどと考えるな、か。そう言われたらかえってやってみたくなるのが人情よね。幸い、教授達は出かけちゃったみたいだし……。よし……そうと決まれば!」
レーヴェが出て行った後、エステルは部屋の隅々を確認した。
(エステル、私達はいつでも行けるわよ?)
(いつでもお呼び下さい!)
(フッ………その為に我等がいるのだからな。)
(フフ……いつでも呼んでね?絶対に貴女を仲間達の元に返してみせるわ!)
(クー!)
「みんな………ありがとう!後、カファルー。勿論、貴方にも後で力を貸してもらうからね!」
パズモ達の心強い念話にエステルはお礼を言った後、腕輪を見て言った。
(グオ。)
腕輪からはカファルーの了承らしき念話が聞こえてきた。
「………………………………。タイミングが命だけど、それさえ見極められれば……。油断させるために2時間ほど大人しくして……。……うん!試してみる価値はありそうね。」
そしてエステルは懐からハーモニカを取り出した。
「……お姉さんの形見の品だったなんてね。ヨシュアのバカ……そんなもの簡単に渡さないでよ。……それと戻ったら、プリネに確認しないとね!フフ……プリネ、あたしがプリネの事を”カリン”さんである事を言い当てたら驚くかな?まあ、本当に”カリン”さんだったらの話になるけど………アハハ…………というかカリンさんに違いないわよね?廃鉱で”剣帝”と戦った時、一瞬ヨシュアと同じ黒髪と琥珀の瞳になったし………………プリネ……いえ、カリンさん。見ててね!あたしもリウイの”光”になったイリーナさんやティナさん、シルフィア様みたいに、あたしはヨシュアの”光”になってみせる!」
ハーモニカを見つめ呟いたエステルは決意の表情になった。
そしてエステルは脱出する油断を作
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