第79話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。」
「………………………………」
「おや、何をそんなにためらっているのかな?恐れることはない。勇気をもって訊ねてみたまえ。」
「………………………………。ヨシュアは……どこにいるの?」
ワイスマンに促されたエステルは不安げな表情で尋ねた。
「フフ……それは私にも分からない。どうやら空賊たちと一緒に何かを画策しているようだが……。いまいち動きが掴めなくてね。今のところ、生きているのは間違いないだろう。」
「そ、そうなんだ……」
「ヨシュアの能力は、隠密活動と対集団戦に特化されている。そのように調整したのは私だが予想以上の仕上がりだったようだ。フフ……どこまで頑張ってくれるか楽しみだよ。」
「あんた……」
楽しそうに語るワイスマンをエステルは睨んだ。
「ああ、そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。私の元に預けられた時、ヨシュアの心は崩壊していた。そんな心を再構築するなど私にも初めての試みだったのだ。その成果を気にかけるのは研究者として当然とは思わないかね?」
「………………………………。……あの生誕祭の時、ヨシュアに何を言ったわけ?」
「封じた記憶を解除して真実を教えてあげただけだよ。君の家に引き取られた彼が無意識のうちにスパイとして”結社”に情報を送っていたこと……。そして、彼の情報のおかげでリシャール大佐のクーデターが成功し、我々の計画の準備が整った事をね。そのご褒美として、改めて”結社”から解放してあげたんだ。」
(……こ奴………!)
(なんて、卑劣な男……!)
「………………………………。……やっと分かった……。ヨシュアがどうして……あの夜……姿を消したのか……。どうしてあんな顔で……さよならって言ったのか……」
ワイスマンの話を聞いたサエラブとニルはエステルの体の中から睨み、エステルは頭をうつむかせて、身体を震わせながら、静かに呟いた。
「いや、それについてはさすがに遺憾に思っているよ。自分を取り戻したヨシュアが君たちの前から姿を消すとはね。そのまま素知らぬ顔で君たちと暮らしていくといいと勧めておいたのだが……。フフ、親切心が仇になったかな?」
「よくも……そんな事が言えるわね……。そんな道を選ぶしかないようヨシュアを追い詰めたくせに……。あんな顔をして……ハーモニカをあたしに渡して……。さよなら……エステルって……」
そしてエステルはワイスマンを睨んで、棒を構えた、そして!
「全部、全部ッ!あんたのせいじゃないかああ!」
エステルは叫びながら、棒を持って、ワイスマンに襲いかかって攻撃しようとした!
「…………………」
「あうっ……」
しかしレーヴェがワイスマンの前に現れて、剣を振るって、エステルを吹
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ