暁 〜小説投稿サイト〜
大丈夫、な訳がない。
序の章
ハジマリ×オドロキ
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なされた特典について、お話させて頂きます。
 あなた様に齎された特典は、以下の通りです。

・身体能力、五感(第六感)の強化
・年齢退行
・その他、色々

 どうです? 結構素敵な特典でし】

 私は思わず、手紙を握りつぶした。
 やっぱ子供になっているのか。わなわなと身体が震えるのを感じながら、ぐしゃぐしゃになってしまった手紙を元に戻し、続きを読み始める。
 リュカは、いつの間にか居なくなっていた。

【私には見えますよ。前の文章で手紙を握りつぶすあなた様が。
 それはそうと、あなた様は今、誰かに拾われていますか?
 拾われているのであれば、そこで是非とも修行をつけて貰って下さい。この世界で生き抜くには多大なる努力が必要だという、上の判断です。
 ああ、戸籍は一応ありますが、あなた様は現在行方不明扱いとなっている割と偉いところの令嬢という設定になっています。
 まあ、もう直ぐに死亡扱いとなる上、あなた様は生まれてすぐに攫われた扱いですので、あまり気に止めずとも良いでしょう。
 ああ、こちらで名乗る時ですが、名前と姓が反対になっておりますのでご注意を。
 尚、恐らくあなた様が転生なされたのは中華風の国でしょう。と、言うわけで拳法云々を習得して下さいねっ☆
 それでは、まだまだ蒸し暑い日々が続きますが、元気にお過ごしください。】

 その文章を読んだ私は、最早震えることも忘れ、ただ放心してその紙を畳んだ。封筒にしまうと、再びポケットの中にしまう。
 次の瞬間には、私は走り出していた。部屋を飛び出し、昨日の、今朝の彼らを探して駆け出す。
 走って数歩もしない内に、階段が見えた。階段下から良い香りが漂って、賑やかな音が聞こえてくる。
 きっと、この下が昨日の食堂なのだと、頭の奥で理解して、私は再び走り出した。
 物凄い音と共に階段を駆け下りれば、それに驚いた師匠さんがなんだなんだと怒鳴り散らす。

「あ? なんだぁ、何かと思えば嬢ちゃんじゃあねぇか。どうした?」

 振り上げた刃の四角い包丁をゆっくりと下ろしながら、怪訝そうな顔で私を見る師匠さんに、私はスライディングで土下座を行う。

「シショーさん! 私を弟子にして下さい!」

 食堂内も、師匠さんも、リュカも、言葉の後に、同時に固まった。
 はて、何かおかしな事を言っただろうかと首を上げると、そこには震える師匠さんの姿。
 師匠さんはぐっと私を物凄い喧騒で見ると、ゆっくりと肩へ手を置いた。

「悪いこたァ言わねぇ。身体鍛えたいんなら他行きな。それがお前さんの為だ」

 その目は実に真剣だが、同時に弟子にと頼まれた事が嬉しくて仕方が無いと言ったような、緩んだ頬を隠しきれずにいる。
 私はそれを見て、押せば行けると思い、そこをなんと
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