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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第53話 血は人間でしょう?
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オレに出来る事なら、なんでもな』
カイトが、そう頷く。……これが失敗だったと知らずに。
モカは、満面の笑みを浮かべて、要求? するのはただ1つだけである。
『じゃ、血を吸わせてっ♪♪ カイトのもっ♪』
と言う事だった。
そう、モカは
吸血鬼
(
バンパイア
)
。
十字架
(
ロザリオ
)
に
吸血鬼
(
バンパイア
)
とは、ミスマッチも良い所だが、間違いなく
吸血鬼
(
バンパイア
)
なのである。
欲しいものなど、自ずと決まっていると言うものだ。
『げげっ!!』
そして、対照的に、カイトは一気に血の気が引いていた。
改めて、納得するカイト。
『(そうだった………!! こんな事言ったらこう返されるに決まってんじゃん…)』
後悔先に立たず。と言うものだった。
そして、モカは、血の事に関しては、非常に行動するのが早い。
『じゃ…早速………うふふっ♪』
頬を仄かに、モカの鮮やかな桃色の髪の様に染めながら、迫ってきた。
『(っ!? そ、そうだ!)つくねっ!!』
カイトは、咄嗟に、月音の右手を引っ張って、自分とモカの間に配置。完全に、
生贄
(
スケープゴート
)
とする事にしたのだ。
それは、ナイスプレイ! なのである。モカが好きなのは、正真正銘人間の血液なのだから。カイトの事が気になるのは……、恐らく、彼がバグの様な物、前世が人間だから、と言う理由なのだろう。
だけど、完全純血? である月音であれば、十分なのだ。
『え、ええっ!? ちょっ!! か、カイト!?』
『(これで許す!!)』
『ええええ!! そ、そんな……っ、お、オレだって疲れて……』
何とか月音も回避をしようとするのだが。
『あれ? つくねだ? う〜ん…………」
素早い動きでつくねを前に出した為、モカにはいきなり月音が、目の前に現れたように見えた。
『さ、モカ。オレのおごりだ! どーぞ! ぜ〜ったい美味しいって♪』
『ちょおっ!?おごりって何っっ!?』
当然、生贄に差し出された月音は、狼狽えるのだが、関係ない。大きな貸しがあるから当然の結果である。
『うーーん……、カイトのも欲しかったけどなぁ… っっ!! ああ〜、でも、やっぱりつくね……いい香り……えいっ♪ いただきますっっ?」
香りに誘われて、モカは月音の首筋に かぷっ ちゅうううううぅ〜 っと。
『いてええええええぇえぇ!!!』
最終的に、月音の血を差し出して、終了したのだった。
〜回想終わり〜
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