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竜から妖精へ………
第10話 フェアリーテイルにようこそ!
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倍も強くなってんだよ! この変態野郎!」
「無理な事を無理って言っただけだろうが! ツリ目野郎!」


 つまり、いつも通りのナツとグレイのケンカに発展。ゼクトのことはそっちのけで始まるのもいつも通り。まだ日の浅いゼクトでさえ、いつも通りだと思える程だった。


「おいおい。とりあえず、今日は止めとけって。新人のゼクトの前でみっともねえだろ? 先輩よ?」

 ギルダーツがそう言うけど、ゼクトは首を振った。

「いや……もう、始めっから見てるからね? いつも通りだって、いつもの光景だって、1日しかみてないのに、思っちゃった程だよ?」

 ゼクトは、そうギルダーツにツッコミを入れた。

「ま、それもそうだな」

 ギルダーツも納得したようだ。そして、ゼクトを下へと下ろした。

「ふむ」

 そこへ、マスターであるマカロフがやってきた。
 にこっ と暖かい笑顔を向けてくれた後。

「フェアリーテイルへようこそ。歓迎するぞぃ、ゼクト。今日から、ワシらは、家族じゃ。フェアリーテイルは、ゼクトの帰るべき()じゃ」

 そう、言ってくれた。迎え入れてくれた。他の皆も同じく笑顔だった。

「あっ…………」

 《家族》と言われて、初めてゼクトの目には、自然と涙が出てきていた。
 あの場所でずっといて、何処か満たされない気持ちがあった。大切な場所だったけれど、それでも、何か足りない欠片(ピース)が確かにあった。

―――……今、全ての欠片(ピース)が埋まった瞬間だった。フェアリーテイル、と言う大好きなギルド、大好きな皆のおかげで。


「その……あの……こちらこそ……ありがとうございます。マスターっ! それに、みんなもっ!!」


 ゼクトは、涙目になりながら頭を下げた。



 今日という日を、一生忘れる事はないだろう。


 本当に色々とあったから。
 
 目を覚ましたら、大切なギルドの中でいて。理由は判らないけれど、正直どうでも良かった。そして、突然、ナツに戦いを申し込まれて、更にミラやエルザと戦うような事になって……。



 そしてそして……、最後に、フェアリーテイルの一員として。……家族として…受け入れられたんだ。



「そんじゃまあ!」


 マカロフが、ひょいっ! と全員を一望できる台の上にのると、高らかに宣言した!



「今日は仕事はぜーーんぶ、キャンセルじゃ! ゼクトを歓迎し! 宴じゃーーーー!!!!」











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