第31話 宣言
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」
「そうか?」
結構、無様な姿だったと思うが。
湾内は甘えるように掴まれているサソリの右腕に頬をスリスリし始めた。
刹那、サソリの背中にナイフが突き立てられた。
「ぐっ!?」
サソリが首だけを後ろに向けると、背後で火傷と血を出しながらも野獣のようにサソリを見据え、白く光る刃先を突き刺しているタンクトップの男がいた。
「き、キサマ!」
「サソリさん!」
サソリは、湾内を突き放すと口からボタボタと血を出しながら、サソリは指を動かした。
サソリが先程、置いたショットガンをフワフワと遠隔操作で持ち上げた。
「湾内、伏せろ!」
「は、はい!」
湾内は、頭を抱え込むような姿勢になって防御姿勢になる。
サソリは、中指を下に折り曲げた。
ショットガンの引き金が引かれ、タンクトップの男の背中に直撃すると、サソリも男と一緒に窓を突き破り、外へと押し出された。
「があ!」
「ぬ!」
「はあはあ!ここまでやるとはねー」
サソリな馬乗りになったタンクトップの男は、ナイフを更に抉るように奥に刺した。
「ぐうう!?」
サソリは、再び中指を下に曲げてショットガンをタンクトップの男に向けて発射する。
ショットガンが直撃し、タンクトップの男は衝撃で前のめりになるがナイフを固く握り締めて離さない。
弾丸は当たっているが、電磁能力と分厚い筋肉に阻まれて決定打にはならなかった。
タンクトップの男は、ビリリと電撃を放出すると、ナイフに向けて電撃を放つ。
「こ、コイツ!」
歯が欠けた口で男は、ニヤリと笑う。
「白光、ホワイトファング!」
突き刺したナイフの先端から電流がサソリの体内に侵入し、サソリの身体が反射的に大きく仰け反った。
「ぐがあああ!」
反射的に折れまがった中指に呼応し、ショットガンが発射された。
タンクトップの男は、力を緩めたらしく衝撃にサソリの背中から転げ落ちた。
身体の中へ電流を入れられてしまい、サソリは奇妙な痙攣をしている。
タンクトップの男は、息を切らしながら痙攣しているサソリを蹴り付けた。
「はあ、はあ......まさかまさか!ホワイトファングを使うことになるなんてねー。飛びっきりの技だから、暫くは動けないね......」
またしても戯けた感じの声だが、目は完全にサソリに向けた明確な殺意を滲ませる。
ホワイトファング......
白い牙......
タンクトップの男は、サソリの背中に突き刺さっているナイフを手にすると、一気に引き抜いた。
サソリの頸動脈を白い牙で狙いを付けるように頭を片腕で固定した。
「ま、待ちなさいですわ!」
湾内が空中で静止していたショットガンを手にすると、震える手で狙いを付けている。
「サソリさんから離れなさい!さ、さもないと
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