第31話 宣言
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
湾内を誘拐しようとした不良グループに単身で乗り込んだサソリは、リーダー格である迷彩柄のタンクトップを着た男の攻撃を受けてしまう。
「うぐぐ!」
サソリがコンテナの中から飛び出てくるとタンクトップの男の前に躍り出る。
急激な体躯の変化からか、先の戦いでの爆発に巻き込まれた際の左腕の熱傷部分の皮膚が裂けた。
血がサソリの指先へと一本の流れを形成し、滴り落ちている。
「いいねいいね!俺様と張り合うのねー!なんだいなんだい?まさかあれだけでケガをしたねー」
タンクトップの男は二、三飛び上がると、再びサソリの視界から消えた。
やはり、サソリの通常の眼でも追いきれない。
サソリはチャクラ糸を辺りに引き伸ばして、様子を探る。
「!?」
高速で切られていくチャクラ糸の感覚に相手は時空間忍術ではなく、ただ単に高速移動しているだけだという情報を得た。
タンクトップの男がサソリの隣に出現すると、飛び上がりながら拳を固めて一気に繰り出した。
「そこか!!」
サソリは、右手を握りしめてチャクラを集中させると突き出した。
二人の拳が互いにぶつかり合い、周りの空気が鋭くなっていく。
「あらあら?やるねー。俺様の高速移動に付いてくるなんてねー」
「......」
サソリのチャクラを込めた拳とタンクトップの男の拳がぶつかった瞬間に衝撃波が発生し、舎弟の不良と縛られて動けない不良が吹き飛ばされた。
「うあああー!リーダー、俺らが居ることをお忘れなく!」
湾内は、コンテナに捕まりながらサソリの変化に気づいた。
左腕から流れ出る血に呼吸が早くなってしまう。
サソリさん
ケガを......
タンクトップの男は、堪えているサソリの形相を上から見下ろすと嬉しそうに歯を見せた。
「じゃあじゃあ!もう少しだけギアを上げるかねー」
拳と拳で拮抗しているサソリの目の前から姿を消けした。サソリは不意に前からの衝撃がなくなり、前のめりになりバランスを崩した。
「!?」
「こちらねー」
タンクトップの男が一瞬でサソリの真横に移動し、負傷している左腕目掛けて拳を叩きつけた。
「がああああああああ!」
ボキッ!
ミチミチと皮膚が裂けていく音と共に、サソリの左腕が変な方向で曲がった。
サソリは壁に吹っ飛ばされていき、地に倒れ込もうとする前にタンクトップの男がサソリの頭を握り締めると倉庫の壁にサソリの頭を擦りつけながら、徐々に速度を上げていく。
「じゃあじゃあ!一緒に光速の旅にでも行こうかねー」
「ぐうううう!」
壁にサソリの頭を擦りながら、タンクトップの男は、湾内達の視界から消えて衝撃音と激突痕だけが不気味に増えていく。
「あ、ああ」
湾内が必死に彼の所在を見つけようと目を凝らすが見えない。
そして、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ