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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三話 とにかく先手必勝です。
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。グリンメルスハウゼン」
「御意。マインホフ元帥、とても卿の血を分けた親族とは思えぬのう。ほっほっほ」

 しわがれた甲高い声でグリンメルスハウゼンはおかしそうに笑う。

「何を言うか、グリンメルスハウゼン。卿とて周囲からは『昼行燈』と呼ばれているじゃによって。儂のことをどうこう言える立場ではなかろう」

 そう言いながらもマインホフ元帥も笑い、期せずして老人三人の笑声が黒真珠の間に響いた。

「そうじゃ、アレーナは卿に会いたがっておったぞ。ぜひ一度会ってやってほしい」
「む、よかろう。儂もその子に会ってみたいと思うからの」
「余もそのアレーナに会ってみたい。カロリーネの良い学友になるやもしれん」

 では、いずれあらためて席を設けましょうとマインホフが言った。

「さて」

 話の区切りがついたところで、フリードリヒ4世が静かに二人を見つめる。

「余の育てているカロリーネも近年とみに利発さを示してきておる。周囲には阿呆だと申す者もおるが、あれは演技じゃ。余はそうみておる」
「皇帝陛下のお血筋は皇女様にもしっかりと受け継がれているようで。バウムガルデン公爵も粋な計らいをしたものですのう」
「御意」

 それを聞いたときのフリードリヒの表情に一瞬ちらっと何とも言えない色が走ったのを二人は見逃さなかった。だが、臣下の習い、何も言わなかった。

「グリンメルスハウゼン、マインホフ、そちらも同様であろうが。じゃが、余としてはあれたちに未来を託してみたい」
「陛下のここまでのご堪忍、苦衷、臣らはお察しいたします」
「よい、マインホフ。余などは老い先短い身じゃ。じゃが、のちの世代、そして孫たちの世代にはよりよき道を進んでいってほしい。そのためにならば、余はマインホフ、卿へ力を貸そうぞ」
「ありがたき幸せ」

 フリードリヒ4世は早速手元に鈴を鳴らす。かすかな音が黒真珠の間に響き渡ったかと思うと、直ちに従僕が姿を現した。

「ただちに国務尚書、宇宙艦隊司令長官、統帥本部総長を召集せよ。余の思うところを述べようと思う」

 それを聞いたマインホフ、グリンメルスハウゼンはよっこらしょと立ち上がる。グリンメルスハウゼンは帰るために。マインホフ元帥の方は先ほどお忍びの姿でここに来たために、素知らぬ顔で軍服に着替え、出直すためである。



ノイエ・サンスーシ 皇女の私室 
■ カロリーネ・フォン・ゴールデンバウム
 あちゃ〜。なんでだろう。今日はグリンメルスハウゼン子爵と軍務尚書のマインホフ元帥がいらっしゃると聞いていたから、ぜひ会いたいって言ったのに、皇帝陛下からとめられちゃった。普段ならすぐに聞いてくれるのに、今日は別の大事な話があるって。
 せっかくグリンメルスハウゼン子爵とマインホフ元帥を
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