第38話 動き出す者たち、集う戦士たち
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毛皮を被った青年…クマと呼ばれた青年は法玄にある情報を伝えた
「余計な世話かと存じますが、今現在あの海鳴市に潜伏している勢力を調べ終えたので、その報告に来ました」
「勢力?管理局だけじゃないのか?」
「はい。管理局はもちろん、この日本には遥か昔から存在する組織がいくつか存在するのです。今回の“闇の書”の捜索に名乗り出た組織は日本政府に属する組織の中でも少々厄介な連中です。申し上げにくいのですが、今の我々の戦力では奴等の相手をするには少々手が足りません」
「ならどうする?兵をかき集めるか?」
「いえ、ただ兵を集めても切り札が無ければただ兵を無駄死にさせるだけです。そこで私はある“兵”を連れて来ました。1人だけですが、彼はまさに“一騎当千”。彼なら必ず我々の戦力になってくれます」
クマの“兵”という言葉に法玄は初めて興味を示した
「ほう。お前がそこまで言うということは、それほどか?」
「はい。必ず法玄殿の力になってくれます」
「そうか…それじゃソイツを連れて見せてくれ」
「分かりました。それでは……おい!」
クマと呼ばれた青年は奥の扉に向かって叫んだ。外で待機していたのかクマの言葉を合図に扉を開き、法玄の前に姿を現した。緋色の着物をまとい、腰に1本の刀を差した剣客だった。だがそれ以上に特徴だったのは腰まで届くオレンジ色の長髪を下に束ね、左頬にはうっすらだが十字の刀傷を特徴に持つ男だった。
法玄は信じられない様な表情で両目を大きく見開きながらクマと呼ばれた青年に訪ねた
「お、おいクマ!こいつ……まさか!?」
驚愕する法玄の表情は予測していたのかクマは三日月のような歪んだ笑みを浮かべながら肯定の言葉で返した
「そうです……この男こそ、あの狂った幕末の戦乱を駆け抜け、維新志士共に勝利をもたらし、明治維新に貢献した剣客。そしてこの国の裏を知る者の中で知らぬ者は居ないと云われ、“幕末最強”と呼ばれた男……」
クマの説明を受けた法玄は徐々に頬を上にあげていった。強力な切り札を手に入れたのだ。上手くいけば邪魔な敵を排除し、今回の一件の手柄を俺のモノになる未来が浮かんだのか法玄の顔には只でさえ醜い顔が更に醜い笑みを浮かべていた。
そんな2人に対して左頬に十字傷を持つ剣客は拳を強く握りしめ、指の間から血がしたり落ち、さらに唇を強く噛み締めたせいか口元から血を流していた。
そして此処にも、仲間の危機に駆けつけようとする騎士が1人………
ある例外を除いてごく普通の一軒家に暮らす1人の少女がいた。その少女の名は“八神はやて”……物心がつく前に両親が他界し、はやて自身も原因不明の病
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