第3章 リーザス陥落
第89話 想定外の敗戦?
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強く持った者が一番強い。まぁ 世の中には綺麗事では済まされない場面は多いが」
「……ああ。判らんでもないな。力が無くては話にならん場面もあるだろう。……戦う意思、動機は必要だ。苦手なジャンルではあるがな」
「いえ、清十郎殿は 我々を助けてくれています。ただ、戦争が、戦闘が好きなだけには到底見えません」
「……ふん。リックも人の事は言えんと思うがな。使命云々抜きでな」
気恥ずかしさが含まれる男同士の会話。
正直、ランスがいたら。
『需要のない事するな。ホモか、貴様らは』
と、盛大にツッコミを入れてくるだろう。ツッコミ、と言うより一蹴するだろう。だが生憎ランスはこの場にはいないから、そういった話にはならない。
女性陣達が、微笑ましくも、何処か呆れた様子で見守っている程度である。……遥か高みにいる強さを持つ男達の会話だ。戦士として、戦う者として少なからず興味があった様だった。
「それは兎も角、だ。……最初に話を戻せ。トーマと言う男は、この世界では最強と称されていたんだろう? その男を打破ったのはユーリだ。……確かに、年波と言うものはある、が。それを笑って超えそうな男だと思えたがな」
清十郎の珍しい場面を見れた、と思っていたようだが、話を訊いて、戻すことにした。
「直に接してみたら判るさ。―――あの男は」
ユーリは、思い出しながら、あの戦いの時に感じた事を、そして 知った事を話した。
――戦いが終結し、トーマ達 ヘルマン側と別れ時。
トーマの傷は思った以上に深いものだった。
単純な話、空間を挟んでの交差、そして ユーリ自身の1撃目を弾かれた後の2?目、つまり 遠心力の強化。それだけでも、背筋が凍りそうな気分になるのだが、それに加えて トーマ自身の攻撃力が加味される。
最終的に、あの刹那で察知したトーマの恐るべき反応によって、回避しようとしたから半減した様だが、吸い寄せられる勢いと相余って、更に踏み込んでしまって、威力が増すのだ。
それが、トーマの命を結果として救ったのかもしれない。
が、ユーリに軍配が上がったのは、そこだけではなかった。
『はいはい。あんた達の大将にも渡しといて、これ』
ロゼがガイヤスに何かを手渡した。
それを見て、ガイヤスは目を丸くさせていた。
『こ、これは《極世色癌》!? まだ非売品である筈の薬が何故……?』
世の中に出回っていない世色癌シリーズの最高峰であるのが、ロゼが渡す《極世色癌》である。限定生産が数える程度されただけで、まだ世の中に回ってない筈だからこそ、驚愕していたようだ。
何故、ロゼがこんな物を持っているのか? と言うのは 今更である。
『ユーリが あんた達の大将にやんなさい、って
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