第3章 リーザス陥落
第89話 想定外の敗戦?
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それちょっと複雑ー。ちゃーんとメロメロになってほしいなぁ」
ミルは、頬を膨らませるが、間違いなさそうなので 否定はしなかった。
そんな様子を見たミリは、ミルの頭を軽く撫でた後、にやりと笑って答える。
「まっ、アイツを振り向かせたり、アイツを押し倒す〜まで行く難易度に比べたら、可愛いもんだぜ?」
笑いながら答えながら、まだ楽しそうに言い合っている志津香達の方を見た。
クルックーは、せっせと神魔法を使っているが、それとなく聞き耳をたてているのは間違いないだろう。ポーカーフェイスだから、完璧に見極める事は出来ないが。
更に トマトやラン、いつの間にか、ここから逃げたかなみまで傍にいる様だ。
そして、まだまだ何人もいる。真知子や優希などなど、挙げだしたらキリがない。
それでも、あれだけのアプローチ+志津香達の様子を見ても反応してない? と思えるアイツ相手なら、難易度が遥かに高いのはよく判るものだ。
下手すると、魔物界を横断する方が簡単なんじゃないか? と思える程。
「あははは。そーかも! それ、訊いたら ちょっぴり自信アップ!」
「そーだそーだ。ミルはオレの妹だ。時間が経ちゃ出来る様になる」
ニヤニヤと笑う姿は、本当に姉妹、似ている。
アイツ、と呼んでいるのは、誰なのか…… もはや言うまでもない事ではあるが、ユーリである。
――休憩が終わる寸前、悪寒が走ってくしゃみをしていたのだった。
〜オクの街〜
一行は、オクの街へと到着し、ランス達の帰りを待つ事にしたのだが……、ほとんど同時に、ランス達も帰還していた。
――予想外の事実を引っさげて……。
「うがあああああーーーーっ!! ゆぅぅりぃぃぃぃぃぃ!!!!」
怒髪天な様子で声を荒げるのは、当然ながら ランスである。
名前で呼ぶのは、結構久しぶりな気がする為、あまり穏やかではないのは判った。何より、ランス以外のメンバーがかなり疲弊している姿を見ると尚更だ。
「やかましい。ちっとは落ち着けバカ」
突撃しかねないランスを抑えつつ、事の顛末をシィルに聞く事にしたのだが……、認めたくはないものの、大体は把握していた。
数では負けていない程までに、集中させていた。そして、ランスは勿論、他のメンバーも相応に手練。
だと言うのに……、まさに想定外の事態。
―――……サウス奪還に失敗した、敗戦しただろうと言う事。
それしか、ユーリの頭の中には思えなかったのだった。
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