第23話 頼み
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「わー!これ美味しいわー!」
「当〜然!シロ兄が作ってるんだから美味しいのは当たり前だよ!」
「ホントだ、けど僕あんまり釣り上げてないから、ちょっと後ろめたさがあるな・・・」
士郎は戻って来てから動きづらかった。
「自分で釣った魚と言う意識もあって、格別だな」
「確かにうめぇ、前々から思ってたが、衛宮先輩、これでやっていけるんじゃねぇか?」
「しかもこのレベルをただで食えるなんて、我らの島津寮の専属料理人に任命したいぜ!」
自分を見る視線が消えたからと言って完全に安心しきった訳では無かったので、川岸に残っていた冬馬達4人が無事なので安心した士郎は、調理を再開させた。
「焼き加減が絶妙です!私、衛宮先輩に弟子入りしたくなってきました」
『コイツなんて大吟醸に合いそうで、オラ失禁レベルだぜ』
「確かに士郎さんの焼き加減はなかなか真似できないからな。練習用に何か燃やせるもんとかないか?――――例えば馬肉とか」
「ハゲにしては中々いい提案じゃないか!まゆまゆ、松風の尻尾千切ってくれないか?馬のテール肉とか美味いかもしれないしな」
『ガタガタブルブルガタガタブルブル・・・』
「松風を食べるのは勘弁してくださーい!」
けれどそこから問題だった――――いや、川岸に戻る時もそして今も。
「この串焼きも美味いな。――――だから京も自分の食事に集中したらどうだ?」
「大丈夫大丈夫、だからはい、あ〜〜〜ん?」
「食べさせてくれようとするのは友達!として感謝するが、かけたその赤いのを退けろ!」
「え?いるでしょ?」
「いらねぇよ!しかもそれ、七味じゃなくて一味だろ!しかもちらっと小さな文字で、オリジナルブレンドとか記載されてたじゃねぇかよ!!」
「でしたら私の方は如何――――」
「お前は自分の食事に集中しろ。そして太腿を撫でるな!」
父親であるフランクの言葉に従っているのか、好奇心を抑えられないのか、士郎はあれからずっとクリスに一挙手一投足までも観察され続けていた。
「真のサムライになるには料理も熟さなければならないのかー。成程なー」
「・・・・・・・・・」
「しか、も・・・・・・う〜〜〜ん!最高だー!――――ただ料理を熟すだけでは無く、此処までの味に到達できなければ真のサムライとは認められないのか。登竜門と言う奴だな、流石は黄金の国・ジパング!自分の認識は如何やら甘かったようだな〜」
「・・・・・・・・・」
「つまりサムライとは、非日常に対処できる力と、日常を充実させうるスキルの両方を獲得した者のみが名乗ることが許される称号なのか」
「・・・・・・・・・」
先程からこの調子である。
仕方がないので、まず誤解から解く
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