第23話 頼み
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」
「う゛」
「まぁ、いい。話を戻すが、その代わり、薙刀使いでは無いが同じ長物である槍の達人に頼んで弟子入りを頼む事なら出来るぞ?ただし、これは一子自身にも問題がある」
「あ、あたし?」
士郎は、漸く涙を抑え終えた一子の両肩をしっかり掴んで問う。
「あの人は多分、魔がさした程度などのたった一言の弱音も許さないだろう。恐らくたった一回程度でも言うと破門を受ける可能性が高い。そして何よりも非常にスパルタだ。そこで質問だ――――一子、お前の目指す道は決して平坦じゃない上、届かない可能性も十分ある。それでもお前はこれまで通り――――いや、これまでとは比べ物にならないほどの努力をしなければならないが、弱音を吐かない覚悟はあるか?諦めない決意はあるか?」
士郎の真っすぐな真剣な問いに対して一子は、一切目を逸らさず口にする。
「あたし、諦めたくない。頑張るから、頑張る事だけが多分あたしに出来る事だから、如何かお願いします!!」
その声音には懇願も含まれていたが、真剣さが多分を占めていた事も解った。
「そこまで言うなら紹介する。だからそうだな・・・・・・休み明けの放課後にでも衛宮邸に来てくれ」
「はい!」
「ちょっと待て、衛宮の家にそんな人いたか?」
「川神が今日まで会わなかっただけで、実際に家にいるのさ。――――よし、後は俺からの前もっての助言だが、基礎練は今まででいいが一つだけ指摘させてもらうぞ?」
「何でしょう?」
師範代への道筋が見えた事もあって、一子は明るい顔で問い返す。
「京から聞いているが、一子は授業を聞かないで寝てる事が多いらしいな?」
「え?あっ、はい」
「なら、休み明けからはちゃんと寝てないで受けろ」
明るくなった一子の顔に、やや暗い影が落ちる。
「えぇえええ!?で、でも、基礎練を毎日これからも続けると、眠たくなっちゃうんですけど」
「これも京から聞いた話だが、それはルー先生からの基礎鍛錬のメニュー以上を勝手に熟してるからだろう?限界を無理矢理超える根性論ですら限界はあるんだ。一子のそれは、正直ほとんど意味の無いモノで自己満足にしかならないぞ?」
「で、でもでも、あたし馬鹿だし・・・」
余程勉強が嫌いなのか、何かにつけて言い訳して逃げようとする一子に士郎は溜息をつきながら告げる。
「言っておくがこれも鍛錬の一つだぞ?」
「え?」
「川神、今まで一子に本能で戦えとか要らんアドバイスなんかしなかったか?」
「したけど?」
「それはハッキリ言って一子には合わないアドバイスだな」
「何でだ!」
今までの自分を知っているワケでもないのにと言う反感を持つ百代。
それに対して士郎は肩を竦め
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