第23話 頼み
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言っただろ?」
「ほえ?」
「急に不安になる事を言って悪かったが、私に打開策があるんだ。それが衛宮だ」
「え?え?」
「・・・・・・そう言う事か」
空気を読んで先程から黙って同席していた士郎が漸く口を開く。
しかし泣きそうになっていた一子は、未だに目尻に涙を溜めながらも虚を突かれたような顔をしている。
その2人の顔を見る百代が説明する。
「ああ、そうだ。――――ワンコ、さっきの私と衛宮の戦いで何か感想は無いか?」
「か、感想?とにかく凄かったとしか・・・」
「私が言いたいのは技では無く衛宮の動きとかだ。自分で言うのもアレだが、さっきの私は基本衛宮に動きを読まれて翻弄されていたんだよ。そ・れ・に!」
「おい」
話の途中で百代は、士郎の腕に向かって気を込めた正拳で殴って来た。
「大河さんの言う通り、耐久力については壁越えでもトップクラスだろう。今の一撃、私が喰らえば瞬間回復を使わないといけないほどの威力なんだぞ?」
「それを何となしに攻撃するとは、覚悟はいいんだろうな、川神?痛くないワケじゃないんだぞ」
士郎の冷ややかな目力に百代は慌てる。
「わ、悪かったからすごんで来ないでくれッ!――――兎も角、動きの読み方や立ち位置の取り方から他の事まで、衛宮の教えを受ければお前の師範代への道が開ける鍵になると私は思ってるんだ」
「衛宮先輩の・・・。――――で、でも、そうしたらあたし、川神院から追い出されちゃうの?」
「そんな事あるわけないだろ!お前は何時までも私の大事な義妹だ!」
「お姉様!」
川神姉妹は大げさに抱きしめ合う。
それを士郎が悪いと思いながらも水を差す。
「いいところで何だがな、俺への弟子入りと言う事なら・・・・・悪いが断らせてもらう」
「えぇええ!?」
「なっ!ど、如何いう事だ!?」
川神姉妹は士郎の答えに驚き動転する。
百代としては士郎の事を少なからず知っていから、引き受けてくれるものだと確信していたので余計にだった。
そんな2人に対して、士郎は両手を前に突き出して落ち着いてくれと促す。
「話には続きがあるから聞いてくれ」
「はい・・・」
「ちゃんとした理由なんだろうな?」
「当然だ。――――まず、俺から助言できるポイントも確かに幾つかあるが、一子は薙刀使いだろ?オレも確かに薙刀も扱えるし、まだ一子よりは薙刀もうまく扱えると言う自負位はあるが、俺は達人でもなんでもない。だから一子を薙刀で川神院師範代まで導くには限度があるから、安易に引き受けられないんだ」
「と言うかお前、薙刀使えるのか?」
士郎の説明の一部に百代が喰いつく。
「知らないのに任せようとしたのか?
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