第23話 頼み
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や防振、そして衝撃などを軽減させる結界を張ることができるモノだ。
四つで一組になっている為、一つでも足らなければ効果が無くなる。
そして魔術の様な認識阻害などは出来ないと言うのも特徴の一つだ。
これはスカサハが作成したモノでは無く、勿論士郎でもない。
雷画だ。バーサーカー襲来の次の日の調査後、無暗に人前では使えない魔術や魔術礼装では勝手が悪いだろうと、雷画から予備も含めて三組ほど譲り得たモノだった。
それをまさか数日中に使う羽目になった予想以上の速さに、内心で思わず苦笑しながら自分と百代を囲う様に四方に設置する。
「よし、準備は完了だ」
「これで思い切りやれるって事か?」
「あくまでも、防音に防振と衝撃の軽減だけだ。だから加減を怠ると地形が変わるから気を付けろよ?」
士郎の言葉に百代は軽くふて腐れる。
その百代の反応に、士郎は仕方がない奴だと溜息をつく。
この手合いの申し込みをした理由は未だ解らないが、あの時の顔は本物だった。
――――本物だったが、戦闘衝動と我欲の根本となる性を消せる訳では無いので、この様に反応するのだ。
とは言え、今は彼女の我欲を満たす為では無く、理由不明な手合わせをする事だ。
「理解出来たなら何時でもいいぞ?」
「かかって来いってか?なら遠慮なく――――川神流、無双正拳突き!」
「フッ!」
百代の正面からの主砲に対し、士郎も正面から迎撃する様に正拳突きを繰り出す。
「っ!」
「フンっ」
お互いに力をセーブしているので拮抗する。
と言うか士郎は、百代の拳に込められている気+地力を見極めて分析した威力と、ほぼ同等の力を出して迎撃しているのだけだった。
そうとは知らない百代ではあるが、真正面からの対応が嬉しくなり、即座に再び距離を詰めて正拳を突き出す。
それを士郎は、今度は無駄なく紙一重で躱しつつ顎を狙って拳を振り上げるが、もう片方の掌で防がれる。
しかしその反撃自体が囮だったようで、空を切った正拳突きの腕と防御に回した掌を掴んで放り投げる。
さらに放り投げるだけで終わらずに、宙に投げ出された百代の両足をすかさず掴んで、さらに距離を開ける様に投げ飛ばす。
士郎としては、何となしに懐に入れないようにしている。
今はまだ接近戦でも上だが、極力自分の得意とする距離を相手に押し付けた方が良いと言う癖の様なモノだった。
そんな士郎の事情も何のその、徐々に気分を増していく百代は大技を繰り出す。
「川神流――――富士砕――――!?」
「俺は良くても流石にそれは地形変えるだろ?」
対する士郎は、躱すのではなく前進して来た。
このまま行けば直撃になるが、力をセーブしているとはいえ、これに耐えら
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