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衛宮士郎の新たなる道
第23話 頼み
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事を始めようと行動に移す。

 「いや、サムライはそんなものでは・・・・・・」
 「な、なんと、まさか衛宮先輩のあれほどの御業を以てしても、届いていないの云うのですか?サムライ道は何とも険しい」
 「いや、そもそも俺の技術は大したものでは・・・」
 「そして何所までも謙虚さを忘れずに、自らを律し続ける強靭な精神!衛宮先輩、自分はますます感服しました!」

 クリスの誤解を解こうとすると、彼女は人の話を聞かずに暴走するので、士郎は相応に苦労した。


 −Interlude−


 皆で昼食の片づけをした物を、最後に士郎が車の中へ運び入れていた。
 そこで、背後から百代が迫って来た。

 「何でそんな真剣な顔してるんだ?」
 「お前は背中に目でもついてるのか?」
 「そう言うのはある程度、気配で判るもんだろ」

 そこで改めて士郎が振り向くと、察した通りに百代は真剣な表情をしていた。
 それを士郎は軽い疑問に囚われる。
 百代が今現在のバカンスを楽しんでいたのは把握していたので、なぜ今このタイミングでそんな顔をするのかは心当たりが無かったと言う理由だった。

 「それで?皆の所では無く、俺が1人になった所を狙ったにはそれ相応の訳があるんだろ?」
 「ああ。だがその前に再確認したい。だから・・・。―――――私と手合わせしてくれ!」

 何時もの巫山戯半分や我儘ぶりなど露程も見せない真剣な目つきだった。
 つまり私欲や戦闘衝動によるモノでは無いのだろうと、士郎は察した。
 礼を失しない相手には相応の対応を取り、本気には本気で返す士郎の答えは決まっている。

 「分かった。けど、皆を巻き込むわけにもいかないからな。少し離れた所でやるぞ」

 百代は士郎の承諾と提案に異論をはさまずに、大人しく付いて行く。

 「あれ?モモ先輩?」
 「ん?士郎さん?」

 皆のいる川岸に戻ってきた士郎達に対して、何時の間に居なくなっていたモモ先輩が何故2人一緒に居たのか、何故2人とも真剣な目つきなのかと、疑問が次々に上がっって来ていた。
 因みに、士郎が後片付けをするモノだから、キャップは士郎との競争が実現できずに腐りながらやっていると、かなりの大物を釣り上げてから「これ、売り物になるんじゃね?」と、声を掛ける間もなく風の様に居なくなっていた。
 その風間ファミリー(マイナス)1人と葵ファミリー+αの面々から離れた地点に来た2人は、少し距離を離して対峙する。

 「よし、やる――――」
 「待った」
 「な、何だよ?」
 「その前にやる事がある」

 それは士郎が先ほど車の中から取り出した、色の付いた石の形をしたお守りの様なモノだった。
 これは魔術礼装では無く、気を込める事により防音
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