二項目『なぞなぞ ー終わらないお茶会ー』
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めた。
「永遠、ねぇ……」
わざとらしく深くため息を吐き出したシィにアリス達の大きな瞳が向けられる。
「残念だけどね、永遠っていうのには大きな代償が付き物なんだよ」
「「…………?」」
「お砂糖たっぷりのお菓子、甘いチョコレートにお砂糖たっぷりの紅茶……確かに美味しいよね。 私も甘いものは好きだよ。 けど、ずっとそればっかり食べてたらどうなるかな?」
諭すような口調で話す彼女だが、何か悪いことを考えているようで愉悦を多分に含んだ笑みを隠しきれていない。 しかし、少女達がそれに気づく様子がないのをいいことに続ける。
「ーーずっと、甘〜いものばかりを摂取していると……」
「してると、どうなるの?赤いお姉さん」
一拍間を置き、アリス達の表情をしっかりと見据えてショッキングな現実を告げた。
「……虫歯になります!」
「「ーーー!??」」
言った途端、小さな肩がビクリと大きく震えた。 表面上は真顔を繕いつつ愉悦の感情を滲ませた表情のままシィが白い肌を青褪めさせた童女二人に追い打ちをかけた。
「いや〜、昔の虫歯は相当痛かったらしいよ。 それこそ、地獄のような激痛が続いて……」
「「地獄っ?!」」
露骨な表現にアリス達がワナワナと震え出した。 まるで心当たりでもあるかのように。 しかし、白のありすは、今だシィの腕の中。 がっちりとロックされてしまっており逃げ出すこともままならずに悪魔のような宣告を突きつけられる。
「……子供の頃の歯は柔らかいからね、甘いものばっか食べてたら虫歯だらけになっちゃうね。 それこそ、痛くて痛くて痛くて、大好きなチョコやクッキーだって食べられないよ、ね? ほら、だんだん奥の方の歯がジンジンしてきて……」
「「ひ、ひぃぃ?!」」
悪魔のように笑うシィを見て、アリス達は引き攣った悲鳴を洩らす。 恐怖からか、それとも虫歯の痛みを想像してしまったからか……目尻に水滴を浮かべながらアリスが叫んだ。
「う、嘘よ嘘よ! 虫歯になんてならないわっ。 べ、別におくばがいたいとか、ちくちくしたりとか、じんじんなんてしないもんっ! 紅茶を飲むときにしみたりしないんだからーーっ!」
もはや自分から告白しているようなものである。 完全に嘘、ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション、だと思っていたが意外にも効いているらしい。 病は気からとは、まさしく今の状況を指すのではないだろうか。 完全に興ののったシィはトドメを刺すべくアイテム欄を開き、アイテムをオブジェクト化させ……
「……そうかそうか。 なら、是非もない……よネ?」
「えっ……?」
鈴の音色と共にドスンと重い響きを持って地面に垂直に突き立ったのは、細長い円錐に螺旋状の彫り込みがされたドリ
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