二項目『なぞなぞ ー終わらないお茶会ー』
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屋に、ヘンテコうさぎ……あたし達のお茶会も永遠なの。 時計の針が音を刻む時、お茶会の終わりのお報せよ。 さぁ、終わらないお茶会を終わらせて?』
「ユーリ、コレって……」
「あぁ、どうやら第二関門らしいな」
またしても意味不明な詩。 今度は『お茶会』に参加しなければならないらしい。 若干疑念を感じながら、少女達に手を引かれてお茶会の会場へと足を運んだ。
??
「やぁ、いらっしゃい少年少女。 ようこそ、 ありす達のお茶会へ。 ささ、こちらへ掛けたまえ」
初めにユーリ達を出迎えたのは、長身痩躯の紳士然とした男だった。 縒れたスーツに、玉ブチ模様の蝶ネクタイ。 頭に乗っけた帽子を脱ぎ、恭しく一礼し、いま胡散臭い笑みを浮かべるこの男こそ、詩にあった『可笑しな帽子屋』なのだろう。
帽子屋に勧められるがままに、席に座ると草原で追いかけっこをしたーー紳士服に身を包み、片眼鏡をかけたーーうさぎが、 白磁のティーポットを片手にひょこひょこと歩み寄ると、
「さぁ、お客さんたち。 紅茶を飲みな、美味しいお菓子もあるぞ。 それ、食べな。 食べて話して踊り狂え!」
席に着いた二人はカップに紅茶を注ぐうさぎの物騒な物言いに、思わず固まる。見た目の可愛さと相まって怪しさ百倍だ。 二人が戸惑っている間にもありすとアリスは席に着き、狂ったうさぎの紅茶を嬉しそうに飲み始め、目の前のクッキーに手を伸ばす。
「な、ねぇ……ユーリ。 どうすればいいのかな?」
「……わからん。 ただーー」
カップを手にしたまま動けずにいるシィは顔だけを、こちらに向けて救いを求めてくる。 だが生憎ユーリも謎が解けずにいた。 難しい顔をして、お菓子や紅茶を見る彼は何かに気づいたのかおもむろに口を開いた。
「ただ……?」
「たぶん、このクエの元ネタは『不思議の国のアリス』なんだろうな」
「あー、お菓子食べたらおっきくなったり小さくなったりする奴ね」
『不思議の国のアリス』は、英国人ルイス・キャロルによって書かれた児童書なのだが、その内容は子供向けにしてはあまりにも複雑な言葉遊びが含まれ、終わりもどちらかと言うハッピーエンドとは言い難い。
ーーある日、主人公『アリス』は服をきた白うさぎを追ってウサギ穴に落ち、紆余曲折あり、時の止まり延々と続けられていたお茶会に参加する。
ここまでの内容は、今までの自分達の行動と見事に合致している。 だが、物語上、主人公アリスは白と黒の双子ではないし、お茶会場も三日月ウサギの家の前で湖畔ではない。 ストーリー上の都合なのだろうか、と悩んでいる一方でシィは手のひらに包んだ白磁のカップを見つめていた。 そして、意を決すると口元へと運びーー
「……んくっ」
「あっ?!」
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