バニシング
精霊編
精霊の魅技
[8]前話
カーカーと、カラスが鳴く。もう、子供は帰る時刻だ。この時間になると、人拐いが起こると噂されているのだから。しかも、ターゲットは子供で突然子供が目の前からいなくなるのだ。神隠しにあったみたいに。しかし、俺の母さんは怯え、それに反して洋子さんは、ハンと鼻を鳴らして小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。そのとおり、誰が信じるというのか。信憑性が薄すぎる。しかも、数時間もしないうちに帰ってきていた。それにより、ますます鼻を鳴らした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆『ゆうちゃん、十代ちゃん、二人とも帰るわよ?』
ハーイという元気のいい声と共に、公園の砂場から小さい人影2つが飛び出してきた。片方は、人影に飛び付き、もう片方は近くで二人のやり取りを眺めていた。
そして、帰ろうとしたとき寒気が十代を襲う。咄嗟に振り返ると公園にあった喧騒が消えていた。さっきまで子供達の声やその母親たる人がいた光景が描き消える。洋子さんもいない。隣には、ゆうちゃんがいて抱きついてくるのみ。そのときだった。二人の少年のもとに黒い物体が流れ込んで来た。それは、一瞬で十代達の中に流れ込んでくる。それは、神秘の光を纏っていて、十代達は膠着していたのだが、それが消えると更に驚いた。其は、精霊の意思の籠ったカードで、もう一度光るとそれは消えた。
『なんだ、これ?』
『もしかして、これが』
『いいえ、違います。これは、精霊達の意志。』
意志?そう言われても。と、納得できない視線を投げるが、ゆうちゃんが別のことに驚いていた。
『あんた、誰だよ!』
警戒するような声を聞き、その女性は口を開いた。
『これは、失礼。私はサフィラと申します。以後、お見知りおきを』
優雅にお辞儀をされた。だが、ムッと口を尖らせる。
『そうじゃない。あんたの正体を聞きたいんだ』
困惑したような目を向ける。だが、ニヤリと続けた。
『あんたも、精霊だろ?サフィラさん』
『ええっ、そうですが』
[8]前話
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