古代遺跡
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ったわよ……」
私は立ち上がって牢屋の外に出た。
「さぁ……早くここから……!」
パパスが勢い良く振り返り、私もその方向を見た。
すると通路の奥の暗闇から魔物達が一斉にパパスに襲いかかってきた。
パパスは剣を抜いて応戦するけど、相手の数が多い分、分が悪い。
「リュカ!早く姫様を外に!」
「うん!ヘンリーこっち!」
リュカが私の手を引いて近くの水路に止めてある筏に飛び乗った。後からゲレゲレも続く。
「リュカ、パパスは大丈夫なの!?」
筏に乗りながら私が聞くとリュカは笑顔で答えた。
「うん、大丈夫だよ。お父さんはとても強いんだから」
「……いいわね。頼れるお父さんが居て」
「えっ?」
キョトンとした様子のリュカに、気付いたら私はそのまま話してしまっていた。
「私のお父さんは、病気でお母さんが死んじゃってから仕事ばっかりするようになって、私の事を必要な時くらいしか構ってくれなくなったの。だから何かあってもパパスみたいに頼れるとか、そういう事も全然なくて……」
「そうか……。でも、きっとヘンリーのお父さんはヘンリーの事を大切に想っていると思うから、お城に帰ったらちゃんと話してみたら?」
「……そうするわ。ありがとう、リュカ」
私がそう言ったその時、魔物の群れが襲いかかってきた。
「下がってて、ヘンリー!ここは僕が戦う!」
そう言って樫の杖を構えて、魔物に立ち向かうリュカの背中は私より小さいはずなのにとても頼もしく見えた。
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