疾風迅雷
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と拳を突き出した。
「ヒーローだって?僕はまだそんなのになった覚えはないけどね。でも、もし君がヒーローだと言うのなら、それは君にも言えることじゃないかな?」
「ハッ!・・・言うじゃねぇの!アルモニー!!」
『呼んだか?』
「アレをやるぞ」
シオンの発言にアルモニーは興味深そうに答えた。
『ほう?まだアップデートは完了していないが?』
「5%ならいけんだろ?」
アルモニーは何かを見透かされた気がしたが、それを無視するかのように期待の意を込めて答えた。
『いいだろう、5%以上は使えないと思え』
「わかってる」
そう言って後ろを見ると黄金の金槌を持ったフレイヤが唸り声を上げていた。
「みなぎるぞぉおおおおッ!!!」
閃光とともにフレイヤは巨大化、野太い声が似合う筋骨隆々の大男となってその姿を変えた。
「おっ・・・!」
「さんじゃん!!」
「うわ〜、結果にコミットしちゃたよこの人。勇ましいが作れちゃったよ・・・」
パーティーメンバーを確認するとフレイヤから《Tor》にプレイヤーネームが変更されていた。
どうやら先ほどの黄金の金槌が彼女の封印を解く鍵だったらしい。
「まぁ、これで役者は揃ったわけだ・・・」
指を絡めて腕を伸ばし、腰を左右に回す。端から見れば何を呑気に準備運動をしているのかと思えるが、彼はいたって真面目である。
「いきなりだけどよ、人事を尽くして天命を待つって言葉、俺は嫌いじゃねぇんだ」
「?」
「だけど、どうせなら人事を尽くすんなら。偶には最後は天に任せずに自分で決めたいわけよ。だから・・・」
内から湧き出る感情をここにきて表に出せることに喜びを感じながら、シオンは剣を握る。その剣はいつもよりも白く、銀の光を帯びていた。
「命懸けで、尽くしていくぜ!この勝負!!」
銀の光は更に眩く輝きを増し、剣を包む。その形状は徐々に変化し、その姿を形作っていく。より強く、より扱いやすく、そしてしなやかに。
『制限解放《セブンスター・ドライヴ》!!』
瞬間、シオンからも銀の光が溢れ出す。その中で、シオンは静かに灯る光の見た目とは裏腹な反応を示していた。
「グッ!・・・コイツは、ちっとばかしキツいな・・・」
未だ光を纏う剣を前に突き出し、更に力を込め、唱える。
「オン、バサラ、ベイシラマンダヤ、ウン、ソワカ」
光は形となり、その身を現わす。右手は機械的な籠手となり、剣は先ほどよりも少しだけ細く、長くなっていた。
『それが君の新たな力、《セブンスター・ドライヴ》。これは君の成長に比例してアップデートしていく言わば《共存のシステム》だ。君が強くなればシス
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