疾風迅雷
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シュタイナーの新たな力、《エレクトロドライヴ》は戦国龍《雷電》とリンクすることにより発動する力であり、雷電の力を使いこなすことが出来る。そしてその力は神にも届くとされている。
「はあッ!」
放たれた一撃はスリュムの拳を受け止めるどころか、弾き返した。
後ずさるスリュムに対し、シュタイナーは追撃を繰り出す。左右の拳から繰り出される一撃一撃が重くのしかかる。
「ぬぅうううん!」
スリュムも負けじとその巨体を振り回す。しかし、それをシュタイナーはさながら踊っているかのように流れる動作で躱した。まるで攻撃がどこから来るかが分かっているかのように。
「すご・・・」
「攻撃がまるで当たらない」
「あれが雷電の力だ。自分の周囲にエレキフィールドを発生させ、その領域内の電気の動きで周りの動きを感知するレーダーのような役割を担っている。死角から攻撃が来ても躱せるのはそのためさ。無論、そんなの使いこなせるのはごく少ないがな・・・」
そう、いくら分かっていても、それを実行できるだけの動体視力、反射神経、判断力、集中力、そして何より無数の攻撃に物怖じしない度胸を持っていなければ出来ない芸当。
『確かに並大抵のプレイヤーならば認識が出来ても能力を持て余す。だが、あいつなら・・・』
「使いこなせる・・・!」
たった1人で対峙しているシュタイナーを見て、シオンは彼ならあの力を使いこなせるという確かな手応えを感じていた。
「雷電の力は《雷》。その能力は、《超高速移動》」
シュタイナーの動きが更に加速すると気がついた頃にはスリュムの懐に入っていた。まるで雷の閃光の如く一瞬の出来事だった。
「ぬぅッ!?」
「どうした?青ざめてるぞ、顔が!」
シュタイナーの拳がスリュムの腹に突き刺さる。その一撃は速く、重く、そして鋭く、突き刺さっていた。
「オ"ォ"ォ"オ"オ"オ"ッ!!!」
スリュムの身体は宙に浮くほどの一撃にその場にいた者は驚愕する。
「あの巨体を打ち上げるなんて・・・」
「なんつーパワーしてやがる!?」
「あれがもう一つの能力、《肉体の限界突破》電気を神経に通わせ、肉体のリミットを意図的に外し、本来の力以上のものを発揮させる」
「聞いたことがあるわ、人間の身体は無意識に力をセーブしてるって。でも、そんなことすれば・・・」
「本来の力に身体自体が付いていけずに筋肉は愚か、骨までも砕ける可能性がある」
おぞましい事実にメンバーは若干引いていた。
無理もない、もともと無意識にセーブしていた分の力を解放して筋肉だけではなく、骨までもズタボロになるのだ。いくら火事場の馬鹿力並みの力を常時使えるとしてもそれは嫌なものである。
「
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