第77話
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その後エステルとケビンは宿に戻ろうとしたが、桟橋に近づいて来るボートに気づき、そしてボートの中で倒れているクルツに気付いて驚いた後、クルツを引き上げて宿に運んだ。
〜川蝉亭・夜〜
「―――応急治療はしたけど、かなりのケガを負っとるな。しばらくは動かさん方がええやろ」
「そっか……」
「まさかクルツのやつがここまでやられるとはな……。一体、何があったんだ?」
ケビンの話を聞いたエステルは頷き、アガットは何故クルツが大怪我を負ったかを考え込んだ。
「確か、クルツさんのチームはもう少しで”結社”の拠点を突き止められるって話だったよね。という事は、アネラスさんやカルナさんも一緒だったはず……。あ……!」
エステルは現在のクルツの任務を思い出した後、一緒に行動しているはずの遊撃士達がいない事に気づき、声を上げた。
「……まずいな。」
「ええ………今も戦っているか……或いは……」
「…………アネラスさん……カルナさん………」
ジンの言葉にプリネは真剣な表情で頷き、ミントは心配そうな表情をした。
「一応、宿の通信器でルグラン爺さんに連絡したわ。すぐに各地のギルドと王国軍にも連絡が行くはずよ。」
その時、シェラザードが部屋に入って来た。
「で、でも……!下手をしたらアネラスさんたちが……!」
シェラザードの話を聞いたエステルは焦った。
「ええ……分かってる。」
「俺たちも出来る限りのことをやっといた方がいいだろう。問題はクルツを乗せたボートがどこから流れてきたかだが……」
エステルの言葉を聞いたシェラザードは頷き、アガットは考え込んだ。
「ふむ、確かヴァレリア湖には島や岩場は無かったはずだね?」
「はい、水深が深いので……」
オリビエの疑問にはクローゼが頷いて答えた。
「ならば、湖岸のどこかから流れてきたのは間違いない。その場所を特定するのはなかなかやっかいそうだが……」
「うん……。かなり大きな湖だもんね。軍の警備艇にも捜索を頼めるといいんだけど……」
オリビエの言葉にエステルは頷いた。
「あの……でしたら、あたしがカルナさん達を捜索しましょうか?」
「ツーヤちゃん?」
ツーヤの言葉を聞いたミントは首を傾げた。
「あたしは”水竜”です。”竜化”すれば湖を泳いでの捜索も可能ですし……」
「あ、そっか。だったら、クーちゃんにも早速手伝ってもらうわ!クーちゃんも”水竜”だし。それにヴァレリア湖に住んでいたようだから、地形にも詳しそうだし。」
「でしたらパラスケヴァスにも手伝ってもらった方がよさそうですね。パラスケヴァスも湖に住んでいた幻獣ですから、お役に立てると思いますし……」
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