第77話
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の捜索を防ぐような……」
クローゼの疑問にクルツは静かな様子で答えた。
「あ、あんですって〜!?」
「そりゃまた……とんでもない技術のようだねぇ。」
「げ、原理的には可能ですけど、ちょっと信じられないです……」
クルツの話を聞いたエステルとオリビエは驚き、ティータは信じられない表情をした。
「そして地上に関しては……接近すると、周囲に濃霧が発生するようにしているらしい……」
「霧……」
「ロレントの事件を思い出すな。」
クルツの言葉を聞いたエステル達はロレントの”実験”を思い出した。
「我々のチームは霧を抜けて研究施設に潜入したんだが……。”執行者”と名乗る手練たちの待ち伏せにあった……。完全に隙を突かれて我々は総崩れとなってしまい……ボートに辿り着いたところで私は気を失ってしまった……。くっ、仲間を残して自分だけ逃げ延びることになるとは……」
説明を終えたクルツは無念そうな表情で言った。
「クルツさん……安心して!アネラスさんたちは絶対に助け出してみせるから!」
「エ、エステル君……?」
「ヘッ、そこまで分かってるならいくらでもやり様はあるだろう。」
「そうね。軍の支援も期待できそうだし。」
「後は俺たちに任せておきな。」
「あ、ありがたい……。すまない……よろしく頼む……」
エステル達の心強い言葉を聞いたクルツは気を失った。
「ちょ、ちょっと!?」
「大丈夫、気を失っただけや。しかし……一刻の猶予もないみたいやね。」
「うん……!王国軍が動く前にあたしたちも動かなくちゃ!」
ケビンの言葉に頷いたエステルは真剣な表情になった。
「エステル、言わなくても分かってると思うけど……」
「うん……分かってる。今までの任務とはケタ違いに危険ってことよね。でも、いずれこういう形で”結社”とは対決することは覚悟していたし……。それが早まっただけだと思う。」
「エステル……。ふふ、短い休暇だったわね。」
「ヘッ、充分だろ。せいぜい腹を括るとしようぜ。」
エステルの言葉を聞いたシェラザードは口元に笑みを浮かべ、アガットは不敵な笑みを浮かべた。
「だが、全員で乗り込んだらかえって目立ってしまうだけだ。ここは数を絞るべきだろう。」
「うん……そうね。ねえ、みんな。あの時みたいに……あたしが選んでもいいかな?」
ジンの提案に頷いたエステルは仲間達を見て尋ねた。
「あの時というと……封印区画の捜索のことね。」
「ああ、それで構わんだろう。」
「ま、俺を選ばなくても恨みっこなしにしてやるぜ。」
「フッ、ボクは選んでくれると確信しているけどね。」
「回復役が必
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