第77話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
問題ない……是非ともお願いする。」
「承知。」
クルツの答えを聞いたケビンは頷いた後、”星杯”の紋章が描かれたバッジを構えた。
「―――空の女神の名において聖別されし七耀、ここに在り。」
ケビンが詠唱を始めるとバッジから光が放たれた。
(わわっ……)
(わぁ、キレイ……)
(……これが”法術”………)
(神父だから信仰による”魔術”かと思ったけど、それとはまた違った力を感じるね……)
それを見たエステルは驚き、ティータは興味深そうな表情でバッジを見た。一方プリネは真剣な表情でケビンが持っているバッジを見つめ、リタは小声でプリネに言った。
「識の銀耀、時の黒耀―――その相克をもって彼の者に打ち込まれし楔、ここに抜き取らん……」
ケビンが詠唱を唱え終えると、一際光が大きくなり消えた。
「……ッ……!」
そしてクルツは苦しそうに呻いた。
「大丈夫、クルツさん!?」
その様子を見たエステルは慌てた様子で尋ねた。
「ああ……大丈夫だ……。………………………………霧が晴れたように色々と……思い出してきた……」
「霧が晴れるのに任せてゆっくり心を落ち着けて下さい。その向こうにある暗闇は覗き込んだりせえへんように。」
静かに語るクルツにケビンは説明した。
「ああ……分かった。ふふ、精神的なダメージというのがどういう物か分かったよ……。あれは……私のエゴというわけか。」
「あら、分かります?」
「これでも瞑想などをたしなむ方なのでね……。………………………………」
そしてクルツは少しの間、目を閉じて黙った後、やがて目を開けて答えた。
「……もう大丈夫。必要な情報は思い出せた……」
「ホ、ホント!?」
「ふむ……見事な術だ。」
「ええ。魔術でもなかなかできませんよ。」
「ヘッ、ただの不良神父じゃなかったみてえだな。」
「ふふ……良くやってくれたわね。」
クルツの答えを聞いたエステルは明るい表情をし、ジンとプリネ、アガットは感心し、シェラザードは口元に笑みを浮かべてケビンを賞賛した。
「なはは、どういたしまして。それでクルツさん。必要な情報っちゅうのは?」
「ああ……。”結社”の拠点はヴァレリア湖北西の湖岸……。そこに彼らの研究施設が秘密裏に建造されていた……」
「け、研究施設!?」
「そんな物をいつの間に……」
クルツの話を聞いたエステルとシェラザードは驚いた。
「ヴァレリア湖北西といえば人里離れた場所ですけど……。それでも警備艇による捜索が行われているはずですが……?」
「奴等は特殊な方法で施設を隠しているようでした……。上空にダミー映像を展開して空から
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ