第77話
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「……それなら私も手伝うわ、エステル。霊体の私なら夜の空を飛んでも目立たないし、物理攻撃は効かないから銃や矢を放たれても平気だし、神聖魔術や空属性のアーツが放たれない限り、私はそんなに傷は負わないわ。」
ツーヤの申し出にエステルは頷き、プリネとリタが申し出たその時
「う……」
ベッドに眠っていたクルツが呻き声を出した。
「クルツさん!?」
「こ……ここは……。エステル君…………それにアガットたちも……」
目が覚めたクルツはエステル達を見た。
「ここはボース地方南部、湖畔の”川蝉亭”だ。あんた、ボートに乗ってここまで流れてきたんだぜ」
「そ……そうか……。たしか他のメンバーたちと”結社”の拠点に乗り込んで……。…………それで……………………」
アガットの話を聞いたクルツは頷いた後、話し始めたが急に黙り込んだ。
「ク、クルツさん……?」
「まさか……」
クルツの様子にエステルは嫌な予感がし、シェラザードは察しがついたような表情をした。
「クッ……何てことだ……。1度ならず2度までも……記憶を奪われてしまうとは……」
「や、やっぱり……」
「どうやら”教授”とやらに記憶を封じられたみたいだねぇ。」
悔しそうに語るクルツを見たエステルは頷き、オリビエは真剣な表情で答えを言った。
「た、頼む……ジンさん!以前やってもらったように『気』を自分に当ててくれ……!このままではグラッツたちが……!」
「……あれはあくまで対症療法にすぎんからな。暗示によって封印された肝心の記憶は蘇らないはずだ。それに、今の傷ついたあんたには負担が重すぎる。」
「だ、だが……」
「……それやったらオレが何とかしてみますわ」
「へ……」
「……君は……?」
名乗り上げたケビンを見たエステルは首を傾げ、クルツは初対面のケビンを見て正体を尋ねた。
「七耀教会の”星杯騎士”、ケビン・グラハムいいますわ。アネラスちゃんから話は聞いてへんですかね?」
「おお……君が……」
ケビンの話を聞いたクルツは希望を見つけたかのような表情をした。
「で、でも、ケビンさん。暗示の解除なんてできるの?」
「まー、深層心理にまで喰い込んだエグいのになると無理やけど……一時的に封じられた記憶なら何とかなると思うで?まだ、掛けられて時間も経ってへんみたいやし。」
「そうなんだ……」
「ふむ、教会に伝えられるという門外不出の法術ということかな?」
「ま、そんな所ですわ。多少、精神的なダメージを喰らうかもしれへんですけど……それでも構わへんですか?」
オリビエに尋ねられたケビンは説明をした後、クルツに確認した。
「
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