外伝〜再会の水竜との契約〜
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ら考えてもヨシュアに何て言ったらいいか思いつかなかったの。だから―――その言葉は会ってから見つけることにする。」
「へ……」
エステルの答えを知ったケビンは驚いてエステルを見た。
「だって、あたしの想いはあたしだけのものじゃないから。ヨシュアと一緒にいる間に自然と育ってきたものだから。だから……ヨシュアに会えたら初めてそれは浮かんでくると思う。あたしだけが伝えられるヨシュアへの言葉を―――」
「………………………………」
「だから、会えないうちからウジウジ悩むのは止めにしたの。えへへ、さっきみたいに感傷にひたることはあるけど……。それは乙女の特権ということで。」
(フフ、エステルったら。)
(クク………エステルがあの小僧と再会し、何を伝えて小僧を連れ戻すか、興味が出て来たな………)
(あら、奇遇ね♪ニルもそう思ったわ♪どうせならヨシュアが戻った時、自分を連れ戻したエステルの言葉やなんであの時、口づけでエステルに睡眠薬を呑ませたかを持ち出して、からかってやりましょ♪)
(あ、あはは…………)
エステルの答えを知ったケビンは呆け、またエステルの身体の中にいたパズモは微笑み、サエラブは口元に笑みを浮かべ、ヨシュアをからかう気でいるニルの念話を聞いたテトリは苦笑していた。
「……はあ、参ったなぁ。こっちの考えていた段取りがメチャクチャやんか。」
一方ケビンは疲れた残念そうな表情で溜息を吐いた。
「へ……?」
ケビンの様子を見たエステルは首を傾げた。そしてケビンは真剣な表情で話し始めた。
「@感傷にひたるエステルちゃん。Aオレの鋭いツッコミに戸惑い悩むエステルちゃん。Bオレからのナイスフォロー。Cエステルちゃん、立ち直る⇒オレの株、赤マル急上昇!―――ってな必勝の段取りを用意して挑んだんやけど……。A、Bをいきなりすっ飛ばされてしもうたわ。」
「あはは、ゴメンゴメン。でも、ケビンさんってけっこう立派な神父さんよね。あたしみたいに悩んだり困ったりしている人をいつも気にかけてくれるし……」
ケビンの説明を聞いたエステルは苦笑し、今までの事を思い出して言った。
「ガクッ……。まあ、確かにそれも神父のお仕事なんやけど……。エステルちゃんには半分以上、プライベートな理由で気にかけてるんやけどなぁ。」
「え……?それってどういう―――」
「……ちょっと待った。」
「???どうしたの、いきなり?」
話を遮ったケビンを見たエステルは首を傾げて尋ねた。
「気のせいかもしれへんけど……湖に何かおらへんか……?」
「へ……?」
ケビンの言葉にエステルが首を傾げて湖を見たその時!
ザッパーーーーーン!!
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