第75話
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〜ヴァレリア湖・川蝉亭〜
「お、ようやく来たみたいやね。」
エステル達が宿に入ると意外な人物が仲間達と一緒にいた。
「あれ……!?ど、どうしてケビンさんがこんな所にいるわけ!?」
意外な人物――ケビンがいる事にエステルは驚いて尋ねた。
「いや〜、それには海よりも深い事情があってやね。」
「ここに来る途中、街道で出くわしたのよ。で、ついでに宿まで来てもらったわけ。」
ケビンはいつもの調子で話そうとしたが、シェラザードが詳細な説明をした。
「街道の途中って……どうしてそんな所で出会うの?」
「はっきり言ってしまうと、目的は”琥珀の塔”の調査でな。実はオレ、ロレントでエステルちゃんと別れてから一通り”四輪の塔”を調べてたんや。」
「四輪の塔を……!?」
「ってことは……他の3つの塔も調べたのか?」
ケビンの話を聞いたエステルは驚き、アガットは尋ねた。
「ま、そういう事ですわ。おかげでこっちも竜騒ぎが完全にノータッチになってしもて。ここらで情報交換しようと、そう思って参上した次第なんや。」
「それは構わないけど……。えっと、それじゃあ早速ここで情報交換をする?」
ケビンの言葉に頷いたエステルは尋ねた。
「ああ、できれば夕食の時がええかな。その方がお互い落ち着いて話をできるんとちゃう?」
「あ、それもそうね。……って、ケビンさんもここに泊まるつもりなわけ。」
「なはは、聞けばここってわりと有名な宿やそうやんか?せっかくやからオレもエステルちゃんたちの休暇にご相伴させてもらおと思うてな。」
「い、いきなりねぇ。でもまあ、ケビンさんには何度もお世話になってるし……。みんな、どうかな?」
ケビンの話を聞いたエステルは苦笑した後、仲間達に尋ねた。
「あー、いいんじゃねえのか。」
「ふむ、確かにこのあたりで借りを返しておきたいところね。」
「えへへ、わたしも賛成です。」
「フッ、ボクも異存はないよ。」
「ふふ……これも何かの縁でしょうし。」
「ま、せっかくだから楽しくやろうじゃないか。」
「ミントもいいよー!」
エステル達に尋ねられ、アガット、シェラザード、ティータ、オリビエ、クローゼ、ジン、ミントは頷いた。
「おおきに!ん?(!!なっ…………あの娘が座っている槍………槍がさらけ出している”瘴気”からして”魔槍”やないか!それも”ロアの魔槍”に負けないくらいの………!しかもあの娘………感じられる”気”からして霊体やないか………!)………………そういえば、そちらの可愛娘ちゃん達もエステルちゃんの仲間かな?」
アガット達の返事を聞いて表情を明るくしたケビンはリタが座っている槍――”魔槍
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