第73話
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ふえっ……」
「おぬしは……」
なんと”剣帝”レーヴェが片手に花束を持って立っていた!
「将軍閣下とはこれが初めてか。”身喰らう蛇”の”執行者”―――レオンハルトという者だ。以後、お見知りおきを願おう。」
「なにっ!?」
「……てめぇ……どういうつもりだ……」
レーヴェの名乗りを聞いたモルガンは驚いた表情で大きな声で叫び、アガットはレーヴェを睨んで武器を構えた!
「ここは死者の眠る場所。するべきことは一つだろう。お前こそ、先日の続きをここで繰り広げるつもりか?」
「グッ……」
しかしレーヴェの言葉に言葉を詰まらせ、そして
「アガットさん……」
「……わかってる。」
心配そうな表情でティータに見られ、アガットは武器をしまった。それを見たレーヴェは慰霊碑の前に花束を供え、静かに黙祷した。
「………………………………」
「レオンハルト……”剣帝”レーヴェと言ったか。わしも死者の眠る場所を騒がしたくないのは同じだが……。ひとつ、聞かせてもらおうか。」
黙祷を終えても、目を閉じて黙っているレーヴェにモルガンは静かに問いかけた。
「ご随意に……」
「今回の事件で、おぬしは被害が大きくなりすぎないよう竜の暴走を抑えたそうだな。今も、死者を悼むためにそうして祈りを捧げている……。そんな者がどうして破壊と混沌を招こうとする?なにか……避けられぬ事情でもあるのか?」
「……フ…………竜の暴走を抑えたのは”実験”を正確に行うためだ。それ以外の意図はない。」
モルガンに問われたレーヴェは皮肉気に笑った後、静かに答えた。
「だが……」
「……俺は俺の命ずるまま”結社”の手足として動いている。何者の意志にも左右されずにな。”ハーメル”の沈黙を強いられたあなた方と一緒にしないでもらおう。」
「!!!」
不敵な笑みを浮かべて言ったレーヴェの言葉を聞いたモルガンは信じられない表情になって、レーヴェを見た。
「”ハーメル”だと?どうしてその名前が……」
一方アガットは不思議そうな表情をして呟いた。
「さてと……。アガット・クロスナー。覚悟が固まったからといって実力が伴わなければ意味はない。今度は、剣が弾き飛ばされるだけで済まされるとは思わないことだ。」
アガットの呟きに答えず、レーヴェはアガットに背中を見せたまま、不敵な笑みを浮かべて言った。
「ヘッ……上等だ。てめえこそ、いつまでも余裕ぶってられると思うなよ。すぐに追い上げてやるから覚悟してろや。」
「フッ……楽しみにしてるぞ。」
そしてレーヴェはアガット達から去って行った。
「……あのおにーさん。寂しそうな目をしてました。お祈りしている間、ずっと…
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