6章〜絆の在り処〜 外伝〜闇空の別れ〜
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ボースの復興が始まって数日後の夜、ヨシュア達が王国軍から強奪した”山猫号”は暗闇の空を飛んでいた。
〜上空・夜・山猫号〜
「あれ……?」
ジョゼットは誰かを探し、そして少しだけ歩くと探し人を見つけた。
「なんだ、こっちにいたんだ」
「……こちら側の方が月がよく見えるからね。風の流れも肌で感じられる。」
ジョゼットに尋ねられた探し人――入口の裏側に座っているヨシュアは静かに答えた。
「あはは、ま〜たカッコ付けちゃってさ。……よっと。」
ヨシュアの言葉を聞いたジョゼットは笑った後、ヨシュアの隣に座った。
「カッコ付けているわけじゃないか……。必要なんだよね、それも?」
「月明かり、雲の位置、風の流れがけっこう重要になってくるから。失敗の可能性はなるべく下げておきたいんだ。」
「な、なるべくって……。あんたねえ……できる限りって言いなよ!失敗したら死んじゃうんだよ!?」
ヨシュアの説明を聞いたジョゼットはヨシュアを睨んで言った。
「大丈夫、失敗の可能性は軽微だ。この程度のミッション、昔は毎日こなしていたからね。むしろ危険なのは……ミッションが成功してからだ。」
「………………………………。……ね、ヨシュア。本当にあんたがそこまでやる必要あるわけ?」
ヨシュアの話を聞いたジョゼットは少しの間黙った後、静かに問いかけた。
「え……?」
「あんたもボクたちと同じエレボニア生まれなんだよね。そりゃあお互い、事情があって故郷に帰れないかもしれないけど……。だからといって、この国に義理立てする必要ないじゃない?”結社”が何をしようが放っておけばいいんだよ。特にリベールは”あの”メンフィルと同盟関係なんだよ?いざとなったら、メンフィルが何とかするんじゃない?」
「………………………………」
「ね、今ならまだ引き返せるよ。このまま、ボクたちと一緒にリベールを離れてさ……どこかの自治州あたりでパーッと一旗揚げてみない?空賊稼業が気に喰わなければ他の仕事を探してもいいんだし。アニキたちとも話したんだけど、この船のスピードを活かした運送業なんていいと思うんだよね。」
自分の話を聞いて黙っているヨシュアにジョゼットは話を続けた。
「飛行船を使った運送業か……。今後も需要は増えそうだし、なかなか有望なビジネスかもね。少なくとも空賊よりは確実に稼げると思うよ。」
「そ、それじゃあ!」
ヨシュアの推測を聞いたジョゼットは明るい表情をしたが
「そうだね……。”結社”の計画を潰して僕が生き残ることができたら考えさせてもらおうかな。」
「………………………………」
ヨシュアの言葉を聞き、続ける言葉を失くした。
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