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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第70話
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急加速のGがかかります!しゃがんで姿勢を低くしてください!」

「!分かった!」

クローゼの説明を聞いたエステル達はしゃがんで、姿勢を低くした。

「―――加速開始!絶対に竜を逃がすな!」

「アイマム!」

『アルセイユ』が加速すると、後ろに思い切り引っ張られるような力がエステル達を襲った。

「わわわっ……」

そしてアルセイユは竜に追いつこうとしたが、竜は雲の中に潜った。



「……竜、高度を下げました。このままではロストします。」

「ギリギリまで食らいつけ!……くっ。まだ雲は切れないのか!」

部下の報告を聞き指示をしたユリアだったが、未だに雲が切れないことに焦りを感じていた。

「待って!ここはどの辺り!?」

「!?」

シェラザードの言葉を聞き、何かに気づいたユリアはモニタにアルセイユの場所を示した。

「霧降り峡谷か……!」

「ひょっとしたらもう霧の中に入ってるんじゃ!?」

「うぬっ……」

エステルの推測を聞いたモルガンは厳しい表情で唸った。

「竜、高度1200アージュまで降下!1100.1000、900….………………………………ロストしました。」

「くっ……」

部下の報告を聞いたユリアは悔しさの思いを抱えて、唸った。

「ユリアさん……」

「み、見失っちゃったの?」

「……ああ。霧降り峡谷の北西部……霧の深い難所に逃げられた。」

「……例の空賊アジトにアルセイユを停められるか?」

「いえ……アルセイユの大きさでは不可能です。」

「そうか……。―――作戦終了。後続している哨戒艇に峡谷周辺を監視させろ。『アルセイユ』はいったんボースに戻せ。」

ユリアの報告を聞いたモルガンは重々しい表情で指示をした。



こうして『竜捕獲作戦』は惜しくも失敗に終わった…………………



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