第69話
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忍びないと仰っていた。」
「そうですね……。『結社』に操られている可能性も高そうですし……」
モルガンの話を聞いたクローゼは心配そうな表情で頷いた。
「そっか……確かに。そ、そういえば!竜を操っていたレーヴェって男、『ゴスペル』を持ってたわよ!?」
「うむ……。導力停止現象の危険だな。ラッセル博士によれば導力停止現象の範囲はおよそ5アージュだという。故に各艦艇には10アージュ以上、竜に近づかないように徹底させる。そうすれば問題ないはずだ。」
「な、なるほど……」
「うーん、恐れ入った。万全の対策というわけだね。」
王国軍が万全な対策をしていることにエステルとオリビエは感心した。
「我らも、伊達に『百日戦役』を経験したわけではないからな。まあ、この作戦が失敗したらさすがに打つ手に困るところだ。その時はよろしく頼むぞ。」
「殊勝なこと言っちゃって……。作戦が失敗するなんて思ってもいないんじゃない?」
モルガンの話を聞いたエステルは呆れた表情で言った後、ジト目で睨んで尋ねた。
「フフン、当たり前だ。この作戦、問題があるとすれば竜が発見されるまで辛抱強く待たねばならんことくらいだからな。」
「確かに……。無駄足だった場合はどうするの?」
「いや、これまでの『結社』の手口を考えたらそれはないだろう。必ずや、あの竜を使って何かしでかすつもりに違いない。」
「そっか……確かにそうね。」
竜が現れなかった場合の事を心配したエステルだったが、ジンに言われて納得して頷いた。
「それでは遊撃士諸君……。竜が発見され次第、アナウンスでお知らせする。それまでは艦内でゆっくり寛がれるといいだろう。」
そして作戦の説明は終わり、エステル達は一端自由行動にした。
〜ブリッジ〜
自由行動にした後、一人で艦内を歩いていたエステルはブリッジにいるクローゼに話しかけた。
「あら、エステルさん。もしかして落ち着かないんですか?」
「うん、ちょっとね。じっとしてられなくて。」
クローゼに尋ねられたエステルは苦笑しながら答えた。
「そういえば、定期船でもいつもお散歩されてましたね。」
「あはは……。言われてみれば確かに。行儀よく座ってるのってなんか窮屈なのよねえ。」
「クスクス……。エステルさんらしいです。でも、『アルセイユ』ではそんな心配はいりませんよ。」
「え、どういうこと?」
「王家の所有とはいえ、この船は巡洋艦ですから……。一般の飛行客船とは運動性能が段違いなんです。最大船速での飛行となれば立っているのも無理なくらいです。」
「そ、そんなにすごいの!?」
クローゼの説明を聞いたエステル
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