君の来た場所
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ハッピーが見上げているその先には、見た目が少し怖い感じの、ハッピーたちエクシードより一回り大きな魚が枝にぶら下がっていた。
「あれはひょっとして、人魚の踵の時の・・・」
その魚にも心当たりがあるエルザさん。ハッピーはすでに息絶えている魚を食べようと持ち上げているが、シャルルとセシリーが食あたりを起こすと注意すると、渋々諦めて元の場所に戻していた。
「海の物は島と一緒に持ち上げられたんだろうけど・・・」
「なんだ?ルーシィ」
何やら難しい顔をしているルーシィさん。彼女が何に気付いたのか、気になったナツさんが声をかける。
「ちょっと前まで海にあった島に、どうしてこんなに木が生い茂ってるわけ?しかも森よ?」
「う〜ん・・・」
植物は生き物と同じで呼吸をしている。しかし、海の中では呼吸はできない。何故なら酸素を取り入れることが水の中ではできないからだ。俺みたいに水の魔導士ならそういうことも可能だろうけど、ただの木々にそんなことができるはずもない。
「まぁ、ただ事でないのは確かだな」
「そうですね」
不自然だらけの島。一体どういう原理で浮かび上がり、どうやって海上にあった時のままの姿を維持していたのか、謎が謎を呼ぶ。
グアアアアア
「「「「「!?」」」」」
「うわっ!!」
頭を悩ませていると、突然獣の鳴き声が聞こえてくる。
ベチャッ
その声に驚き遺跡の方へと振り向いた俺たち。さらにシャルルたちに怒られても諦められなかったハッピーが魚を持って宙に浮いていたのだが、それを驚いて俺の頭へと落としてしまう。
「ハッピー!!」
「わぁ!!ごめん!!」
頭から名前も分からないような魚に噛みつかれている格好の俺が落とした原因を怒鳴ると、両手を合わせてペコペコと謝罪してくる。素直に謝っているから、ここは許しておくか。
「お前たち!!ケンカしてる場合じゃないぞ」
「「す・・・すみません・・・」」
騒がしかった俺とハッピーに鋭い視線で一睨みする妖精女王。その威圧感と存在感に負けた俺たちは、即座に謝る。
「あれは・・・」
「なんでしょうか?」
気を取り直して声の主の方へと視線を向ける。そこには、まるで東洋の竜のような体をした、巨大な生物が顔を覗かせていた。
「遺跡の方だ」
「行ってみましょう」
おそらくあれが生体反応の正体。そう悟った俺たちは、あの生物の正体を探るべく、遺跡の方へと駆け出したのであった。
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