君の来た場所
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俺だけなのかな?
「でも、海に沈んだら普通こんな道、すぐに崩れませんか?」
コンクリートやアスファルトでできているならまだしも、土で固められている道なら沈んだ途端に海水の流れに負けてしまうような気がする。そういう知識がないから俺にはさっぱりわからないけど、実際のところどうなのだろうか。
「残ってるんだから、そういうもんなんじゃねぇのかな?」
「そうなんですかね?」
グレイさんに言われて納得しきれていないが、とりあえずこれについては考えることをやめる。だってきりがないし。
「とにかく、あの遺跡に何かあるのかも知れねぇな」
島の中央に見える巨大な遺跡。たぶんあそこがもっとも手がかりを得やすいところだと思う。
「何か怪しい感じですね」
「うん、そう思うよ」
「フローもそうもう」
レクター、キセキ、フロッシュが不自然だらけのこの島を見てそんな感想を抱いていた。
「手分けして周囲を調べよう。合流地点は、あの遺跡だ」
評議院が感知した謎の生体反応。その正体を探るべく、俺たちは二手に別れて島を回ってみることにした。
チームワークを考慮して、妖精の尻尾と剣咬の虎でチーム分けをした後、道沿いに島の中を探索していく。しかし、歩いても歩いてもその反応の正体にたどり着けぬまま、時間だけが過ぎていた。
「なぁんだ、ただの森だぞ」
「オイラお腹すいてきちゃったよ」
退屈そうなナツさんとハッピーがいつも通りのマイペースな発言をしている。
「全く、緊張感ゼロね」
「注意してないと襲われちゃうかもよ〜?」
そんな二人を見てシャルルとセシリーが呆れつつ、周囲に気を配りながら歩を進めていく。
「あ!!これ!!見てください!!」
ウェンディが何かを見つけたらしく、そちらへと駆けていきしゃがみこむ。
「何々?」
彼女の隣に同じような姿勢になりながら地面を見ると、そこには青黒い貝が石にへばりついていた。
「お〜?なんでこんな森の中に貝殻?」
「お!!その貝殻見たことあんぞ!!」
「蛇姫の鱗・・・あの石盤の裏についていたものと同じ・・・」
石についているその貝殻を手に取るエルザさん。どうやらこの留学の最中に、蛇姫の鱗でこれと同じ貝殻を見たことがあるらしい。
「うははは!!」
何の貝殻なのか考えていると、甲高い笑い声が周囲に響き渡る。その声の主はハッピーなのだが、彼は木の幹の方を見上げて手をブンブンと振って興奮しているようだった。
「ねぇねぇ!!みんなこれ!!」
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