君の来た場所
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が少女の手へと渡ってしまう。なんとか奪い返そうと腕を伸ばすが、それよりも早く少女がそれに写されたものを見てしまった。
「・・・」
ただ静かに写真すべてに目を通しているウェンディ。そんな彼女の表情が、徐々に赤くなっているのが見てとれる。
「ねぇ、シリル」
「ごめんなさい・・・」
何か言われる前にソファに正座して額を擦り付ける。だが、それで許してくれるほど彼女は甘くなかった。
「これ何!?」
そういって彼女は俺から奪った写真を見せてくる。そこに写っているのは、水着姿で接客をしているウェンディ。
「いつの間にこんなの撮ったの!?」
「ちが・・・撮ったのは俺じゃないんだ!!」
さっきマックスさんたちを湖に沈めた後、彼が売ろうとしていた水着の女性たちの写真は悪用されないように回収してきた。その写真たちは、盗撮された女性たち自らが処分を決めるべきだろうと考えて返却したのだが、ウェンディの写真だけは持ち帰ろうとズボンにしまっていたのだ。ちなみに俺が写されているものは全部破いて燃やしました。
「シリルこの写真どうするつもりだったの!?」
「持ち帰ろうと思ってました」
ウェンディの水着の写真なんて今まで撮ったことなかったし、相当なレア度がある気がしたので、夢に出てくるように枕に忍び込ませる予定でした。しかし、彼女は持っていたその写真をビリビリと破っていきます。
「あーーーー!!!」
律儀に一枚ずつ細やかに破ってはごみ箱へと捨てていく天竜。それを見てもったいないと思っている俺は、呆然としていることしかできなかった。
「他には!?隠してないよね!?」
「はい・・・今ので全部です・・・」
正座して項垂れながら首をかくかくとうなずかせる。自分の恥ずかしい写真をすべて破棄できて安心したのか、ウェンディがニコッと微笑みながら口を開く。
「あんな写真じゃなく、本物の方がいいでしょ?」
「!!/////」
それを聞いた瞬間、頭から湯気が出たように感じた。つまりそれは、ウェンディがいつでも水着を着てくれるってことなの?
「あ!!ギルドとかでは着ないからね?」
「ですよね〜・・・」
そんな期待を一瞬で打ち砕く藍髪の少女。高まりかけた気持ちが、すぐに沈んでいく。
ガチャッ
ガッカリと肩を落としていると、不意にギルドの扉が開かれる。そこには評議院のラハールさんと、その他部下と思われる人たちが数人やってきていた。
「評議院?」
「どうしたのかな〜?」
「「あ!!」」
シャルルとセシリーが予期せぬ来客に首を傾げていると、俺とウェンディにはあることが脳裏をよぎった。
「どうしたの?」
「何かあったの〜?」
「う・・・ううん!!」
「何でもないよ」
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