第30話 憤怒
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とサソリのベッドの下に隠れて、ゆっくり柵の隙間からサソリの寝ている横顔を眺める。
「やっぱ、かわいい顔をしているわ」
サソリは、態度や言葉使いはしっかりしているが、顔や身体はどちらかと言えばあどけない子供のような印象を与える。
「サソリ」
佐天は、指先でサソリの頬を弾いた。
「ありがとうね」
まだ小さな子供みたいに無邪気な寝顔のサソリを佐天は、しばし飽きずに眺めていた。
******
泡浮を湾内から引き離した御坂は、泡浮を連れて近くソフトクリーム店に来ていた。
「パニラで良いかしら?」
「はい、すみませんわ奢ってもらうなんて」
「いいのよ、あたしが呼び出したんだし」
店先からソフトクリームを渡して貰い、御坂と泡浮は冷房の効いた店内にある椅子に腰掛けた。
泡浮はもの珍しそうに店内をキョロキョロ見渡している。
ここも初めて入ったらしい。
「それでお話しとはなんでしょうか御坂さん?」
ソフトクリームを舐めようとして舌を出している御坂に泡浮が聞いた。
「あ、うんとねー、湾内さんのことなんだけどサソリに大量にメールを送ったみたいなのよ」
「えっ!メールをサソリさんにですか?」
「そうそう、昨日の夜からずっと来ていたみたいでサソリも参ってたのよ」
泡浮は、店員に付けて貰ったスプーンをソフトクリームに差して、ソフトクリームを掬って食べ始める。
「それでベッドに入っても頻繁に携帯電話を弄ってらしたんですね」
「それで、サソリも直接言うみたいだけど、泡浮さんからも湾内さんに程々にするように言ってくれるかしら?」
「分かりました。すみませんご迷惑をおかけしてしまいまして」
「それほどでもないんだけどね」
あたし的には、面白いものが見れたしね
あんなに疲れきったサソリなんて初めてみたし
でも、湾内さんとサソリがくっ付いちゃったら......黒子は。
お姉様!
やはり、黒子にはお姉様しかいませんわ!
今こそ、真実の愛をくださいな!
やっと最近、ノーマルになってきたのにまたアブノーマルの世界に連れて行かれそうだわ
湾内さんも頑張って欲しいけど、黒子の方も頑張って欲しいかな
いっその事、二人まとめて......
なんてね。そんな事は出来るわけないか
御坂がソフトクリームを舐め始める。
熱を持った身体にアイスの濃厚なミルクが舌先で絡んで、口いっぱいに広がる。
「湾内さんってサソリに助けられたから好きになったの?」
「はい、湾内さんはあまり男性と話したことも、友達として付き合ったこともありませんでしたの。それでも殿方に声を掛けられたりして、怖い思いをしてきたらしいですわ。でも、サソリさんにお会いして、変わりましたわ」
「まあ、
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