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ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
第38話友情のゲンコツ
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ー。

「でも、お兄さんはそのアイデアをボツにしたらしいよ」

「は?龍星が作ったんだろ?だったら・・・」

「《ナーヴギア》の解除でも脳が焼かれるって言ってたでしょ?だから回路を《ナーヴギア》の中に仕込むのはリスクが大きいからやめたんだって」

あー、そういえば二年間HPが0にならないように戦ってたからソレを忘れてた。確かに《ナーヴギア》の中にその回路を仕込むとなると、一部を解体する事になるだろうからな。一歩間違えればあっという間にアーメンだなそれ。だとすればその回路を仕込んだのはーーー回路の事を知っている別の人間?

「まぁお前らが生きてる理由は分かった。でも・・・何で連絡の一つもくれなかったんだ?」

『・・・』

オレはそれが一番引っ掛かる。生きていたのなら龍星に頼んで疑似テレパシーで声を送れたはずだ。なのにそれをしなかった。コイツらは、何かを抱えてるーーー

「・・・私達、気まずかったから」

「はぁ?」

「竜達があの世界で命懸けで戦ってるのに、俺達は《ナーヴギア》を取り上げられて・・・」

「何も出来ひんかった自分らがイヤやった・・・」

「だから・・・」

コイツら、そんな事気にしててーーー

「・・・ハァ〜〜〜〜・・・」

呆れて物も言えないぜ。

「お前ら、歯ァ食い縛れ」

『へ?』

「お、おい・・・」

「ライリュウお前ナニする気だ・・・?」

何をキョトンとしてるのかな?やる事なんて決まってんだろーーー

「とにかくお前歯ァ食い縛れ。オレは今からお前達を殴る!」

『えぇーーー!?』

「いくぞぉぉぉ!!」

オレは右の拳を上げ、このバカどもに向けて降り下ろす。狙いは歯を食い縛ったコイツらのーーー頭にゲンコツを降り下ろす。

「いったぁ!」

「顔じゃねぇのかよ!?」

「オレら歯を食い縛る必要あったか!?」

「というか女の子相手にゲンコツってどない神経しとんねん!」

うん、歯を食い縛る必要はない。顔面を殴る訳じゃないからな。それよりもーーー

「生きてたんなら!オレと未来の中で!お前らを死なせたままにすんじゃねぇよ!!」

『!?』

オレと未来は翼達がずっと死んだと思ってた。オレはみんなが死んで、未来まで戻って来ないかもしれないって思ってた。オレはーーー何も守れなかったって本気で思ってた。
オレはこの店の床に座り込み、頭を下げた。

「今度はお前らの番だ・・・」

『!!』

「オレはお前らを殴った。だからお前らもオレを・・・一発ずつ殴れ」

オレは意思を証明しなけりゃならねぇ。だから、コイツらを許すために顔面に四人の拳を受けーーーって!!

「オレは顔面なのグウェヘェッ!?」
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