第38話友情のゲンコツ
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見たキリトの顔は少し、いや、心の中に強い怒りが籠っているかのように染まった。
「やっぱり須郷と接触済みか・・・」
「ライリュウも会ったのか・・・?」
「あぁ、随分なゲスの極みだよ。多分未来も須郷に生かされてるような状態だ・・・」
須郷伸之は「レクト社」のフルダイブ研究部門の主任、ALOが「レクト社」の製品だとするなら確実に関係ある。
オレが未来の名前を出した時、先ほど気になっていた四人組の中の一人の男が一瞬身震いした。そうだよな、お前が気にならない訳ないよなーーー
「おいそこの四人組、今の話聞いてたろ?」
オレはそろそろあの四人組に話し掛ける事にした。キリトとエギルは他の客に迷惑掛けんなって言うけど、迷惑なんて今更だ。オレは構わずその四人組の下に歩み寄った。今度龍星をシバいておこうーーーコイツらの事を教えなかった事について。
「生きてたんなら連絡くらいよこせよ・・・《リトルギガント》」
「なっ!?」
「ライリュウ、《リトルギガント》って確か・・・!」
そう、一年半前《笑う棺桶》に殺害されたはずのオレの友達。明石翼、霧島弾、雨宮かんな、河村亜利沙。もう絶対に会う事は出来ないと思っていた友達が今ーーー目の前で生きてる。
「・・・何で気づいたん?」
「オレがお前らを忘れるような人でなしだとでも思ってたのか?」
「違う!そんな事思ってない!」
かんなの言葉にオレはそう返し、亜利沙が短いながらも必死に弁護する。とにかく聞きたい事が沢山あるんだ。全部答えてもらうぜーーー
「ひどい話だけどよ、オレと未来はお前らが完全に死んだと思ってた。でもよ、オレの兄貴が《ナーヴギア》に数分間通信する手段を持ってたんだけど、それでお前らもオレと話せたんじゃないかな〜・・・全部吐け。お前らが今現実世界で生きてる理由を」
『は、はい・・・』
オレはちょっと怒気を含めた顔と声で軽く四人を脅し、理由を話させた。少し気が引けるけど、これは仕方ないと思ってほしいなーーー
「・・・まず、俺達はゲームオーバーになって死ぬはずだった」
「そうだろうな、現にその原理で4000人が死んだんだから」
「でも、オレ達はなぜか現実世界に戻ってきた」
まずは弾が口を開き、あの夜の出来事で自分達が死ぬはずだったと言う。でも翼の言葉で、《リトルギガント》だけがオレ達より早く現実世界に帰還したと発言した。
「ウチらの《ナーヴギア》に細工がしてあったんや。なんや分からんけど、アンタのお兄ちゃんが作った回路やったで」
「アイツか犯人は」
龍星のヤロー、そんな発明したなら教えろよバカヤロー。そしてみんなが生きてるならあの疑似テレパシーで教えろよコノヤロ
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