6部分:第六章
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く。
「男の子相手に」
「名文の前祝いにね。そういうことよ」
「けれどそれは」
「醜くはないわ」
こう言い繕う。しかし言い繕いではなかった。
「汚くもないのよ」
「汚くもないですか」
「愛よ」
しかも愛と強弁する。これまたかなり強引だった。
「愛なのよ」
「愛ですか」
「そう、愛なのよ」
語るその目は恍惚としている。少なくとも虚言を語る目ではなかった。
「これは。だから」
「奇麗なのでしょうか」
「美しいのよ」
彼の恍惚とした言葉だった。
「これはね」
「左様ですか」
「じゃあ。その美しい行いの為に今から」
「遊ぶのですね」
「美の為に遊ぶ」
今度の言葉だった。
「それは奇麗なことじゃない」
「まあ言ってしまえばそうですが」
「じゃあ。行くわよ」
「はい」
二人で言い合う。そうして話を進めてまた言うのであった。
「男の子達と幸せのハーレムよ」
勝矢の顔がうっとりとなる。もう関心はそちらに完全に向かっていた。そうして今その店に入る。満面の笑みをたたえ続けたまま。
お寺の怪 完
2008・5・19
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