フェアリィ・ダンス編
第37話目覚めぬ家族
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コ勝手に持ってっただけ。英雄になりたかった訳じゃない。
「須郷主任!遅れて申し訳ありません!」
「ん?部下ってもしかしてこの人ですか?」
「えぇ、彼女は橘雪乃。有能な部下ではあるのですが、うっかり屋なのがたまに傷でして・・・」
今日は突然な事が多いな。今オレ達の下に軽く駆けてきたこの長い茶髪をサイドアップにした女性、橘雪乃。見た目は、そうだなーーー19歳から21歳くらいか?やけに若いな。新人の人なのか?どうやら須郷さんの言う通り、うっかり屋さんみたいだな。
「橘くん、彼が・・・」
「神鳴竜さんですね?お会い出来て感激です!お墓参りのお邪魔をしてしまって申し訳ありません」
「あ、はい・・・大丈夫です。そろそろ別の友達の所に行こうと思っていたところだったんで・・・」
この橘さんという人に握手を迫られたから、オレは彼女の手を握る。正直言うと、今日はここまでにして家に帰るつもりだった。これ以上墓参りを続けてると、本気でどうにかなっちまいそうだったからーーー
「須郷主任、そろそろ・・・」
「あぁ、そうだね。これ以上神鳴くんのお邪魔をしてはいけない。もうそろそろ明日奈の所へ・・・」
「え?明日奈さんって、もしかして結城明日奈さん?」
「えぇ、その通りです」
この二人ーーーアスナさんの知り合いなのか?確か聞いた話だと、《レクト》のCEOのご令嬢らしいけど。一部門の主任が呼び捨て出来るような人じゃないだろ、アスナさんはーーー
「実は私・・・明日奈と結婚する事になりまして。来週の26日、今彼女が入院している病室で式を挙げるんです」
「・・・は?」
今、なんて言った?アスナさんと須郷さんがーーー結婚する?確かにいつ目覚めるか分からない状況だけど、いくらなんでもーーー
「須郷さん、アスナさんにはキリト・・・桐ヶ谷和人っていう恋人が・・・」
「えぇ、存じております・・・
存じておりますが、それがどうかしましたか?」
「・・・え?」
コイツ、急に人が変わったみたいにーーーそうか、やっと分かった。コイツの本性ーーー
「アンタ、アスナさんの昏睡状態を利用するつもりか?」
「利用?これは正統な権利なんだよ。僕は明日奈の父、結城彰三氏の腹心の息子でね。昔から家族同然に可愛がってもらっていたよ」
その家族同然に可愛がられてた男がこれか、アスナさんの親父さんも見る目がないんだな。多分見てるのは技術面だけ、人間面は見てないんだろうな。それでその正統な権利を持つのがーーーこのクズ野郎って事か。
「神鳴くん、SAOを開発した「アーガス」がそ
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